多様な「幸せのかたち」 【ブックレビュー】三浦しをん『愛なき世界』(中央公論新社、2018年)
著者:三浦しをん
書名:愛なき世界
出版:中央公論新社
小説を2冊くらい買って帰ろうと思いながら、書店をウロウロしていたときに見つけて手に取った一冊。三浦しをん先生のことは、『舟を編む』で知っていた。当時の恋人の影響で読書がマイブームだった高校生時代、『舟を編む』が本屋大賞を受賞した。その後今に至るまで、小説『舟を編む』は読めていないのだが、映画化された作品が素晴らしかったことが思い出される。本書の帯に記載された「草食系恋愛小説の名手」という謳い文句から、『舟を編む』の主