詩|静かな朝、見渡して
太陽が地平を越えると、空は氷河が溶けるように澄み、川は硝子の微塵を撒いたように目覚めた。土手を辿れば、草木は瑞々しく息付き、菜の花は笑みを交わすように揺れる。
心地よい風に伴われ、見晴らしの良い高台に腰を下ろした。対岸の営みが静寂からぼんやりと浮かび上がり、遠くの橋を渡る列車が、影を抱えて映り込む。
青空を溶かし込んだソーダ水
泡と揺らめく逆さの世界
ふと目を遣ると、収集所から戻る親子が、袋を風に膨らませて遊んでいた。軽やかに跳ね回る姿は踊っているようで、何やら美しかった。