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The Little Mermaid

小さい時はパパが横にいて、父側の苦悩について解説を聞きながら見てた作品(笑) 「"わからずや"はちょと言い過ぎだよね」「でも大事なもの壊すのもやりすぎたよね」ってやり取りしたのを覚えてる。
The Little Mermaid 2まで見て、プリンスの中で一番エリック王子が好きだったから実写化は期待大でした。
両脇に座ってた友人の映画の感想が"私が何回も泣いてることに驚いた"になってしまうほどめっちゃ泣いたので、折角だし感想を残しておこうと思う。

Part of Your Worldの歌詞にいつも胸が震える

"Bright young women, sick of swimmin' Ready to stand"

Ashman and Menken (1989), Part of Your World [song], "The Little Mermaid"

この歌詞がこの曲で一番のお気に入り。立ち上がる意思を持てたということと、泳いで過ごす今の環境に飽き飽きして違う世界に飛び出したい、ヒレではなく足で立ち上がりたいという気持ちをこの短いセンテンスに入れ込んだハワード天才。この意思を聞くたびにアリエル全面応援な気持ちになってしまうし、自分も立ちあがろうという気持ちになる。

制限と自由のバランスと葛藤

(心配する親心ゆえだけど)だめだという制限、自由に生きたいという気持ちの葛藤をアリエルも、エリックも持っていた。父側としても、愛する妻を人間に殺され、娘たちを守りたいという強い気持ちから行動を制限する気持ちと、娘の自由への渇望を知り、娘の幸せを考えた時に自由を与える決断をする精一杯の努力が伺える。(ちなみにThe Little Mermaid 2では親になったアリエルとエリックが同様の問題に直面する)
自分が親になって作品をみるとまた違う気持ちになるんだろうな。

未知への恐怖感情と誤解

知らないという怖さ、私たちは同じものが見えたとしても感じ方は人それぞれ、受け取り方も個人差が大きい。そんな中で見えないもの、知らないものに対しては妄想がふくらんでしまうもの。社会的動物であることが転じた結果ではあるものの、未知なるものに対して理解する姿勢を失った途端、本来からかけ離れた暴走になりうる。
今の私たちは好きな情報が手に入る時代ではあるが、フィルターバブルが形成されるし、少なくともそのバブルの中で生きている自覚を持つ必要がある。次なるステップはバブルの外に対して恐怖や偏見、無関心であることをなくしていくことだろう。

若さと判断能力、若さと行動力

判断能力、衝動性など、アリエルとても若いなあと年々感じるようになってしまった。
私が一番好きなプリンセスのベルは、以下のように実写映画で歌ってる。

"I was innocent and certain, Now I'm wiser but unsure"

Rice and Menken(2017), Days in the sun [song], "Beauty and the Beast"

若いからこその感じたことに対する確信と行動と、年を重ねて踏み出せなくなっていく葛藤が私の中にもある。
今は自分は何でもできるなら何をしたいんだい?、とたまに問うことを忘れないでいたい。

役の起用について

Halle Berryは完璧だった。アリエルの天真爛漫な感じ、伸びやかで艶がある声、クスッと笑う可愛さ、純真さ、、、とても素敵だった!
娘たちが7つの海を代表していたのも海はひと繋ぎだよというメッセージを感じられて納得の配役だった。その他原作との違いについて、スカットルが女性だったことからもDisneyの、時代変えていこうよって姿勢が窺えた。
ポリコレだぁーだの、自分が好きな作品だったのにーだの、物議を醸してた今作。それを言いたい気持ちはわかるけど、私はこの大胆な実写化にしびれた。

作品が自分に近い境遇であればあるほど心は動く、と思う。
The Little Mermaid 2でアリエルの娘メロディーが黒髪で当時の自分と同じくらいの年齢だったから、私はセリフを覚えるほど、穴が開くほど見てた。
今一度考えたい、子どもの頃好きだった作品があるだけ幸せなことではないか。それすらもなかった子がいたことを考えると、今回の作品によってその希望が見えただけで幸せな気持ちになった。

強いて言うなら、、、

少し技術的な面、人魚の動きが自然に見えなかったのが気になったポイント。海中の動きは流動が目に見えにくい&重力の影響力が地上と違うからこそ難しいと思う。さらに陸にヒレの状態で上がった時に腕力すごくない?という疑問も実写だからこそより感じてしまった。他の作品の制作過程とかを考えても、動きに関して緻密な計算はされているだろうから、より"正確な"動きをしていたのかもしれないけど、主観的に見た時に違和感を感じてしまった笑

まとめ

好奇心に対して動いていく力強さと苦悩、未知に対する恐怖と理解のプロセス、守る気持ちと自由とのバランスの難しさ、会いたい人に会えない苦しさ、理解されるって嬉しい、を感じさせてくれるThe  Little Mermaid、総じてとても良かったです。


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