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飯をくう

河島英五が好きである。大阪に来て難波で飲み歩くようになって河島英五を肌で感じることがあった。飲み屋でもよく河島英五の歌を歌った。

一日二杯の酒を飲み
さかなは特にこだわらず
マイクが来たなら微笑んで
十八番を一つ歌うだけ

男が惚れる歌詞であり、曲である。作った阿久悠も、森田公一も素晴らしいが大阪の河島英五が歌ったからいいのだと思う。たくさんの有名歌手がカバーをしているが、やはり河島英五だろう。

飯を食う、夜眠る、排泄する。
この三つの基本が出来れば楽に生きていける。介護の仕事をしてこの当たり前の大切を身にしみて感じた。両親、兄貴の私の面倒見は所詮うわべだけのこと、家族の真の介護は肉親には出来ないと六十の年に近づき初めて気づいた。
「人の親だから出来るのよ~、」と笑いながら母の下の世話をしてくれた愛知のグループホームのおばちゃんたちには頭が下がり、本当に心から感謝した。「そのうち一緒に飲みに行きましょうね」と声をかけられながらその約束を果たせず申し訳なく思っている。


昔の友にはやさしくて
変わらぬ友と信じこみ
あれこれ仕事もあるくせに
自分のことは後にする

飯を食うには命懸けだ。けれども仕事を情無しでしたくはない。1+1が2とならない、いい意味での『いい加減』な世界で仕事をして来た。上司、先輩、得意先、世の中に助けてもらってここまで生きてきた。だからわりに合わない事でも引き受けてしまう。
恩返しである。
深く考えても仕方のないことが世の中にはある。とりあえず動くことである。頭で考えても理解できないことには肌で感じ、慣れなければならないこともある。


男の嘆きはほろ酔いで
酒場の隅に置いてくる

酒は憂さ晴らしで飲むものではない。酒に申し訳ない。飲みながら嘆き悲しむこともあろうがそんな時には飲み過ぎてはいけない。頭のなかを整理できるくらいに酔っ払うべきである。私は飲んだら前向きになる。明るい酒である。出来た整理を割りばしの袋にでも書き付けて翌朝読んで心新たに出発すべきである。時にはそれを見て恥ずかしくなることもあるかも知れない。でもいいじゃないか。男なんだから。

しかし、飲み屋を自分でやって酒場の隅に置いてくるのはまあまあ迷惑だと気づき、それからこのフレーズは小さな声で歌うことにしていた。


ねたまぬようにあせらぬように
飾った世界に流されず
好きな誰かを思い続ける
時代おくれの男になりたい

大切なフレーズですね。でも、すべては健康あっての話です。しっかり食べて、寝て、通じは良くして健康な時代おくれの男になりたいと思います。

いただき物の鳴門わかめのオンパレード、胃袋に優しい晩飯でした。酒を飲まない日もあります。たまに、、

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