日記のような、びぼーろくのような(2023.07.25 真夏の京都大原野から大阪なんばへ)
久しぶりに京都大原野の放置竹林整備のNPO法人京都発・竹・流域環境ネットの事務所まで出かけた。
夏の京都は熱い、京都の西の端の大原野は盆地の地形であるすり鉢の腰にあたる辺りに位置するが、この時期の京都はどこに行っても異常な暑さである。「ドワン」とした蒸れた暑さが京都のすり鉢の中にたまっていた。
朝から国道9号の温度計は32度を表示していた。それを横目で眺めながらひたすら電動アシスト付き自転車のペダルを踏んだ。
途中の樹々の様相も変わっていた。
なんだかいつも無機質を感じる昔のニュータウンを通ると街路はサルスベリに衣装を変えていた。これからしばらく散ることのないこの赤や白やピンクの花は真夏の暑さによく合っていると思う。濃い夏の青空とのコントラストは私の脳に一涼を与えてくれる。
このサルスベリの花、いつも思うのだが、染色したパセリに見えるのは私だけなのであろうか。そういえば飲み屋の刺身のツマにパセリを最近見かけないように思う。そう思うのも私だけなのであろうか。
事務所に着くと、おばちゃんしかいない。お盆に向けて皆もっと早い時間からあちこちに向かっている。「お盆までに済ませて欲しい」、こんな依頼は昔から変わらない。高齢者竹伐り衆は毎日元気に汗を流して帰ってくる。それなりに健康で、医療費を最低限に抑えるためにも年中を通しての竹伐り作業は役に立っているように思う。「健康な高齢者づくり」に対して幾ばくかの助成が公から出てもおかしくないのにな、と真剣に思う。翌日からは嵐山の竹林の小径のメンテナンス作業が始まる。URの主催する夏祭りに向けての準備も進んでいた。この竹のオブジェの中にLED照明を通して飾るのである。いろんな話が同時並行で進む。竹製品の某保険会社のノベルティグッズ製作作業も始まる。近いうちに東京までお礼に行く話を理事長として事務所を出た。
大阪なんばも暑かった。
夏らしい暑さに大阪も覆われていた。
久しぶりに息子と会った。奈良の造り酒屋の直営店に腰をおろし、たわいもない話をして時間が過ぎる。いつも女性ばかりで切り盛りするこの店に珍しく40くらいの男性が立っていた。なんとも不思議な接客が不慣れのこの男性の姿を目で追っていると、燗を付けた酒を持って来て自分から酒蔵で働く杜氏だと言う。暇なこの時期だけ時々手伝いに来ているとのことであった。
杜氏の兄さんと話をし、美味い酒を飲み美味いアテをつついた。
そして、次に移動。午後7時に近づいているが外はまだ暗くない。この時間にはいつもいっぱいの客で溢れかえる店が閑散としていた。四年ぶりの天神祭りで人の流れがこの日だけ違っていたのであろう。
安定した味のいつもの店。混んだ店は好きじゃないが、混むなりの理由を追えば混む店に入らなければならないがやはり混んだ店は好きじゃない。飲み屋の客は皆我が儘である。
大阪なんば高島屋の北側辺りを「裏なんば」と呼ぶようになっている。私はそんな言い方があまり好きじゃなくもとから馴染みのある地名で読んで欲しい。千日前、道具屋筋の裏あたりのごちゃごちゃしたこの界隈が好きである。個性が集合し、勝手にひしめき合っている、そんな感じの街が好きである。
この日も夜は暮れ、酔っぱらい、まだ生暑い空気のなんばの街をあとにした。