日記のような、びぼーろくのような(2022.12.07京都大原野の竹の煙は昔の匂い)
京都大原野の午前の空気は冬だった。
朝仕事を終え、いつものように大原野に向かう。駅前でレンタサイクルを借りて放置竹林整備NPO事務所に向かう。頬を刺すもう冬の冷たい空気は眠気覚ましにちょうど良い。でも手の冷たさ、自転車に乗っての冬の冷たさはまた別物である。子どもの頃の故郷愛知の山や海を走り回った事を思い出す。今年初めてここで手袋を手にした。
途中抜ける洛西ニュータウンの街路樹も寒さに向かうのに丸裸になりつつありなおさら寒さを募らせます。
現地に着くと年末に向けてずいぶんわさわさとし出しています。今日も竹伐り部隊のおっちゃんらと、ボランティアの皆さんが出入りします。
冬に近ずく静けさの中、ここだけが多くの人が出入りして仕事の打ち合わせをし、手を動かしながらも笑い声の絶えない場所となっています。
このNPOの本来の目的である環境保全のための放置竹林整備ばかりでなく、過疎化するこの地域において、本来行政が考え、執行していかなければならない『地域の活性化』と『高齢者の健康長寿化』を果たしつつあります。
以前、ここでお話させてもらった里山整備を進めたい林業振興室と、長い歴史や住民の感情は関係なく一方的な都市計画による用途地域変更を行う都市計画局の、行政の縦割りによる地域全体の進むべき方向が違うがための不全が起きつつあることの解消に向けて話は進んでいます。
今のこの空間を守っていかなければならないと考えています。
小さなNPOですが、もう10年ほど前に京都北部にて行政と共に竹を燃料とするバイオマス発電の事業に携わりました。もともとその施設は時の波に乗って国の補助事業で間伐材を使って行うものでした。しかしながら多額の費用をかけたその施設は一言で言えば使い物にならないものでした。皆さんが知らないだけで多くの税金が一部の欲得に支配された亡者のもとで消えています。事業計画のスタートには経験と技術と心を持ったスタッフと共に考え進める必要があります。
そんな大きな事業も同時進行させていかなければならないとも考えています。
帰りは心斎橋で途中下車、いつも世話になっている方に年末の挨拶です。挨拶だけで帰ろうと思っていたのですが、難しい話を聞いてしまい一時間ほど過ぎ、この頃にはもう徹夜明けの眠さのピークは過ぎていました。
京都大原野の竹のたき火で帰りの私は全身が煙の匂いにまみれています。でもそれは決して嫌な匂いじゃありません。父の郷里、長野県飯田市の山あいの寂しい寒さを思い出す懐かしい匂いでした。