日記のような、びぼーろくのような 『京都西山竹あかり』 ~幻想夜2024~
朝、阪急京都線洛西口駅に降り立つと大阪の空気とは違っていた。湿り気の多い冷たい空気が私の肺まで入り込んでくる。早朝に降雨があったようだ。アスファルトは黒く落ち着き、いつものような熱い照り返しはない。この先ひと雨毎に秋は深まり、朝の挨拶も「今日も寒いね」と変わっていくのであろう。
NPO法人京都発・竹・流域環境ネットの発足から15年経つ。これまでに京都南部木津川から北部宮津まで、そして現在は西京区大原野で荒廃放置竹林の整備及びその廃棄竹林の有効活用を考え行い、地域の自然環境の保全を目指している。地域の防災管理に寄与し、地域の過疎化解消などの派生的な問題解決にも努め、二義的でありながらもその意義は非常に大きいものである。京都市域の竹林面積は約620haあり、その2/3が集まる大原野地区においてもこの問題は他人事ではない。古くから竹林を所有管理して来た同地区にも高齢化による過疎化の波は押し寄せ、それに伴う後継者問題が起きている。大原野地区の竹林はドラマ・映画の撮影現場として現在も使われ、そこで生まれる白子タケノコは日本の味を代表する美味しいタケノコとして知られている。
京都ブランドの竹林と白子タケノコ栽培の保存を目的にこの地に拠点を構え、京都府下の竹林整備事業とそれに関わる事業の推進を行っているのがNPO法人京都発・竹・流域環境ネット、通称『京都竹ネット』なのである。
理事長の人柄でここまで続き、京都における荒廃放置竹林の問題は京都府・京都市から当法人に連絡が来るようにまでなった。このたび、京都府によって文化庁連携プラットホームを主催とした『京都西山竹あかり』~幻想夜2024~が開催されることになった。京都西山エリアの社寺の夜を『竹あかり』によって照らすこととなったのである。この中でも創建1029年の善峯寺は初めてライトアップをすることとなった。竹あかり演出集団『CHIKAKEN』の指導の下、延べ150人のボランティアの暑中の作業によってここまで至った。
とても楽しみな秋の夜が今年はやって来るのである。
まずは知ってもらうこと。
人の手で植えられ育ちすぎてしまった竹林の重要性と、放置することの危険性。
NPOとしてできること、NPOだからできること。
これからも考えて邁進します。
大原野の稲穂は頭を垂れ、曼珠沙華は赤くまっすぐ立ちます。当NPOの本当の収穫の秋はまだまだ先です。
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