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「技術力=マネージャー」ではない 制作会社のマネージメントで役立つ おすすめ書籍5選

今回の記事はWEB制作会社でマネージメントしてる方、目指してる方に読んで欲しい5冊です。

どの本にも書かれてます。マネージメントは「特別な能力やセンスは必要ありません」と。私もそう思います。19年間、社長していますが、特別な能力ではありません。

僭越ながら1つだけマネージメントについてアドバイスするならば、技術や知識としてマネージメントを学び、自分に合ったスタイルでマネージメントすることだと思います。

マネージメントは決して持って生まれた能力ではありません。陥りがちな失敗としては「1冊本を読んでその通りにする」「憧れの人を完コピして真似る」などです。これはうまく行きません。たくさんの学びの中で、業種業態や自分の性格に合ったマネージメントを試行錯誤して見つけてください。

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1. 『採用基準』(ダイヤモンド社、2012年) 伊賀 泰代

マッキンゼーで採用担当者として国内外の一流の学生を見てきた筆者。書籍のタイトルからすると採用担当や人事の人向けの内容かと思うかもしれませんが、「これからの時代に求められるリーダーとは?」などについて、論理的かつ具体的な事例なども織り交ぜながら説明してあります。これからのマネージャーになる人に求められるのは、ここで書かれているリーダーと言われるような人物像です。

■印象的なセンテンス
「リーダーシップに関してもうひとつ理解すべき大切なことは、それが問題解決スキルと同じように、学べるものだということです。生まれつきリーダーシップのある人とない人に分かれているわけではなく、スポーツや勉強を学ぶ時と同じように、座学と実技を交えて体験し、失敗したり成功したりしながら学んでいくものなのです。」
「リーダーがなすべきことは極めてシンプルで、突き詰めれば次の4つの行動に収束します。①目標を掲げる ②先頭を走る ③決める ④伝える
決断をしない人はリーダーではありません。伝える努力をしない人も、先頭を走る覚悟がない人も、成果目標を掲げて見せてくれない人もリーダーとは言えないということです。」

(『採用基準』本文より抜粋)


2. 『問題解決プロフェッショナル 「思考と技術」』(ダイヤモンド社 新版、2010年) 齋藤嘉則

この本は、問題解決のためのさまざまなアプローチが紹介されていて、コンサルティング・ファームなどでも課題図書として配られていたようです。内容としては、前半で、問題解決の2つの思考「ゼロベース思考」と「仮説思考」、2つの技術「MECE(ミッシーまたはミーシー)と「ロジックツリー」、1つのプロセス「ソリューションプロセス」についての説明。後半では簡単なケース・スタディをもとに、実践的な問題解決のシミュレーションが行えます。マネージメントで必要な問題解決の基本を学ぶには非常によい「教科書」だと思います。

■印象的なセンテンス
「我々経営コンサルタントは『問題解決のプロフェッショナル』として、常にさまざまなクライアントから多種多様な問題が提起され、決められた時間内に解決策を提示しなければならない。そして、解決策は理想論ではなく、その時点ですぐに実行に移して成果が出る策でなければならない。常にヒト、モノ、カネ、情報、時間の制約の中で考えなくてはならない。だから我々はいつも、問題を解決するための基礎トレーニングを行っている。経営や経営の理論を学んだり、ケース・スタディを学んだりもするが、何を学ぼうとも問題を解決するための基本スキルを持たなければ、ビジネスの現場では役に立たない。」

(『問題解決プロフェッショナル 「思考と技術」』本文より抜粋)


3. 『リーダーの仮面 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』(ダイヤモンド社、2020年) 安藤 広大

株式会社識学の安藤広大さんの書籍です。組織内には個人の認識の違いによる誤解や錯覚がたくさんあります。それらを適切に解消することは、数学や物理のように公式があるというのが本書で書かれてます。「上司は部下のモチベーションを上げる必要はない」など表現は尖ってますが、その前後関係やポイントを押さえれば納得の考え方です。会社を成長させたい、部下を成長させたいマネージャーには必要な考え方が詰まってる書籍です。

■印象的なセンテンス
「ほとんどの仕事において、プレーヤーとしての能力は30代をピークに、年をとるごとに落ちていきます。(中略)自分が40代50代になっても20代30代と同じ仕事で切磋琢磨できるかどうか。手足となるような現場の人材は、若ければ若い方がいい。早く『手足』の機能を経て『神経』の機能に上がっておかないと年をとって大変なことになります。出世しないと逆にツラくなってくる現実にもめを向けるべきです。」

(『リーダーの仮面』本文より抜粋)

余談です。
私もこの著者のコンサルを受けたことがあります。その時、とある会話で主要なスタッフが退職した話になり「その人が辞めた原因は?」と聞かれ、たくさんの理由を説明しました。その話の後、安藤さんからハッキリいわれました。「全部違います。理由はただ一つです。会社の成長スピードが遅いからです」と。今でもその言葉を大切にしています。


4. 『THE TEAM 5つの法則(NewsPicks Book)』(幻冬舎、2019年) 麻野 耕司 

元リンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司さんの書籍です。チームというアプローチで書かれてます。WEB制作の現場で働く人たちにとっては、いつもの業務に置き換えられるので、こちらの方がなじみやすいかもしれません。チームビルディングを精神論や経験則ではなく論理的、体系的にまとめられており、また、国語ではなく算数のように再現性のある解説になってますので、現場ですぐに活用できるようにまとめられた書籍です。

■印象的なセンテンス
「チームに行動目標しか設定されていなければ、時にメンバーは『作業』の奴隷になります。チームに成果目標しか設定されていなければ時にメンバーは『数字』の奴隷になります。(中略)意義目標を設定することによって、メンバーは自らの生むべき成果や取るべき行動について、意思を持つことができます。『何をやるべきか?』だけではなく『何故やるべきか?』が分かれば、新たな『何をやるべきか?』が見つかるからです。」

(『THE TEAM 5つの法則(NewsPicks Book)』本文より抜粋)


5. 『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク出版、2012年) 岩田 松雄

自称「普通のおじさん」、元スターバックスジャパンCEOの岩田松雄さんの著書。良きリーダーは特別な才能ではなく誰もが目指せるという本書には、強いリーダーシップではなく、タイトル通り「ついていきたい」リーダーシップの行動が書かれてます。リーダーの仮面とは対照的な内容です。本書でも自分に合ったマネージメント方法を見つけてください。

■印象的なセンテンス
「リーダーは絶対に逃げてはいけません。それは、組織に危機的な状態をもたらします。そして、逃げないとはつまり、決断するということです。だからこそ、決断する力を磨いておかなければいけません。そのためには早い時期から決断する訓練をすることです。(中略)会議に出る時は上司の立場で聞いてみる。上司の意思決定を自分ならどう意思決定するか、考えてみる…。決断力は、実は日常の場でも、鍛えられるのです。」

(『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』本文より抜粋)

6. まとめ

最近、マネージメントに興味ある人が少なくなってる気がします。
確かにマネージメントは面倒です。少しの手当ぐらいでは割に合わないかもしれません。ただ、その一歩を踏み出さないと、プレイヤーとしては未来に厳しい現実が待ってるかもしれません。

WEB制作会社のような技術職の場合、「技術力のある人=マネージャー」というのが一般的ですが、今回ご紹介する書籍を読んで、必ずしもそうではないことがご理解いただけるかと思います。どれもいい本ばかりですので、気になったものがあれば、ぜひ読んでみてください。




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