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台北敦化南路の街路樹 楓香(フウ)、笳苳(アカギ)、溶樹(ガジュマル)

中秋節も過ぎて、少し秋の気配が近づいていると感じられるこの頃。いつも通り、台北のMRT大安駅の4番出口を出て、そこでYouBikeに乗り、会社に向かう。朝の通勤のコース。信義路を走ると、その先に台北101ビルがそびえ立つのが見える。

台北の街をYouBikeで走ると、街路樹がよく整備されていることに気づく。猛暑の真夏には、涼しげな木陰を提供し、夕方によく大雨が降る夏の季節には、慌てて木の下に逃げ込む場所になってくれる。

信義路から右折し、敦化南路を下っていくと「楓香」が植えられている。樹木にはQRコードが付いており、それを読みだすと”臺北行動樹”というページに飛び、植えられている樹木についての知識が得られる。

楓香は、学名Liquidamber formosana Hance、和名は”フウ”。臺灣固有の原産樹木で、落葉性高木、樹脂は芳香を持つ陽樹。秋には葉が黄色く色づき、1月から3月に落葉し、3月に新芽が芽吹く。楓風(フウ)は、冬の寒波で気温が低く長期間続くほど、葉内のアントシアニンやルテインが葉緑素に取って代わり、葉が紅く染まり美しくなるとの事。

楓香(フウ)

「笳苳」を記された街路樹にも出会う。

笳苳、学名はBischofia javanica Blume、和名は”アカギ”。半落葉性の大喬木、葉は楕円形、葉縁には鋸歯がある。果実は球形の褐色の漿果であり、全島の低地および温暖湿潤な平地山麓に生育することが可能。茄苳は環境に優しい樹木であり、風に強く、乾燥にも耐性があり、その根は深く地層に達するため、水土保持の効果が優れているとの事。

笳苳(アカギ)

敦化南路だけでなく、台湾全土で見られる代表的な街路樹「溶樹」もある。

溶樹は、学名Ficus microcarpa L.f.、和名は”ガジュマル”。桑科。常緑性の大喬木、樹高は20メートル以上。葉は互生し、革質で卵形または楕円形をしている。花は淡緑色であり、果実は赤褐色。この樹木は重要な鳥誘引植物で、枝葉が濃密で、樹冠は傘状。枝幹には垂れ下がる気生根があり、地面に達すると速やかに太く成長する、と。
始めて見た頃は、垂れ下がる根に、おどろおどろしさを感じたが、今では、台湾らしい、おそらく都会化する前の、遥か昔の台湾のジャングルで、王者の様に君臨していた樹木だったのだろうと想像してしまう、立派な姿の樹木に思える。

そう色々思っているうちに、勤務先に到着した。

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