センセイの鞄
久しぶりのnoteの更新。
川上弘美さんの「センセイの鞄」を読んだ。
大学時代に読んで好きだった本を読み返してみようと思い立ったGW、
図書館に足を運んだ。内容はあまり覚えていなかった。
この小説は、30代の独身女性の「ツキコさん」とツキコさんの高校時代の
センセイによる恋愛小説だ。二人は行きつけの居酒屋で隣の席になり、一緒に飲むという間柄で物語は始まり、ゆっくりとゆらゆら寄り道しながら、時に道を外しながらも、二人の仲は縮まっていく。あまり現実感のない設定ではあるが、妙に引き込まれていく。
センセイの優しさ・余裕・奇人っぷりと、ツキコさんの不器用で
子供っぽいところが読んでいて面白い。二人とも自由でいきいき
していて、とても人間らしい。読んでいて全く嫌味がない。
そして綺麗な文章、鋭い感情描写に時折、涙しながら読みすすめた。
センセイと一緒にいれることが、ただ嬉しい。という旨のことが
書かれているシーン。うんうんとうなずぎながら読んだ。
恋愛は気持ちで通じ合うものだ、そんな当たり前のことを
思い出させてくれる素晴らしい小説だった。