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川のせせらぎにイラつく
元気な中年男性の食べログレビューの筆致を見て、ここまで陽気になれない自分に落ち込む。
足取り重く歩いていたらスススと軽そうに流れる雲を見て嫉妬する。
川の水面に夕陽が反射してキラキラするその幸福さにげんなりする。
理由もなく不安になって落ち込んで、怖くなったり万物に劣等感を覚えたり、ホルモンバランスの偉大さを毎月感じさせられることに、また落ち込む。たすけてー
「自分の機嫌は自分で取る」とか「今日も生きてて偉い」とか、それすらも励ましとして受け取れず、うるさいよと思ってしまう。
こういう時に気を許している人と関わるといつもとは違う態度をとってしまうし、それでたっぷり後悔するし、雲に嫉妬するに至る。
最近は、ここまで終わりの精神状態になれる自分を面白がることに毎月チャレンジしている。
まだうまくいかなくて、「あーまたそっけなく振る舞ってしまった」とかで普通に電車でしくしく泣いてしまったりする。たすけてー
まあでもこういう仕組みをもつ性別に生まれてしまったからには面白がるほかにないと思うから、どこまで自分がイラつけるかを観察してみることにした。
最近でいうと雲、食べログの陽気なレビュー、川のせせらぎ、「挑戦価格!」と書いてあるくせに170円のアボカド、とかにイラついている。
(以前もイラついていた)
日頃自分の意見を主張することは苦手で、物事を批判的に捉える審美眼も微塵もそなわっていないので、何事にもイラつけるこの1週間は貴重なのかもしれない。と、これを書きながら思ってきた。
ホルモンバランスの暴力に、正攻法で勝利することはこの10年ちょっとの経験上無理だということがわかっていた。
だから素直に暴力をくらう毎月を過ごしていたけれど、(道理がまったく通っていない)批判的視点を養い、それを面白がれる期間に変えられたらまだマシな人生になるのかもと思う。
みんな、どうしてるのー。
たすけてー、と思いながら、元気ですよ大丈夫ですよと振る舞って仕事も家事も人付き合いもしてるの、すごい。
脈絡なく機嫌が変わる女性のそばに寄り添ってくれる人も、すごい。
とはいえイライラするというのはいろんな部分を消耗するので、なるべく幸せなことがいっぱい起こってほしいし、せせらぎも雲も穏やかに眺められるようになりたい。