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銀行

※ふと布団の中で思いついたお話です。素人なので面白いかどうか分かりませんが読んでくれると幸いですー!

女「(隣にいる人に小声で)あの、これっていつまで続きますかね?あ、いやあの私今、お仕事の途中で戻らないととてもまずいんで、、」
男「おい!そこ何話してんだ!!静かにしろ!」
「すいません、、あ、でも本当戻らないとまずいんです」
男「あ??」
女「今私仕事の一環としてこの銀行に来てて、だからまだ仕事の途中っていうか、だから私戻らないとまずいんです!」
男「は?おい、お前この状況わかってんのか!!俺は強盗でお前は人質だぞ?!この状況で仕事とか普通考えるか?!」
女「いや、私だって携帯とか取り上げられてなかったら店舗に連絡して『今、銀行強盗にあってて人質になってるからお店に着くの遅れそう、ごめんね』って言えるけど、それ今出来ないじゃないですか?だからお店に残ってる人は『あいつ何してるんだよ?使えねぇ』ってなるじゃないですか!!」
男「しらねぇよ、んなこと。ていうか、さっきから仕事の途中って言うけど何の仕事途中なんだよ!」
女「両替です!!」
男「は?それだけ??」
女「それだけって何ですか!!あのね、私が今担当してる店舗は県内でもトップの売り上げを持つ店舗なんです!お昼時だと300人くらい来るんですよ!これからお昼のピークが始まるって時にレジの100円玉が4枚で1000円札が5枚ですよ?どうやってお釣り渡すんですか!考えてみてくださいよ。お釣りが50円と10円だけで貰うって!だから早く両替した棒金とお札を届けなきゃいけないんです!!!これはちゃんと私に任された信念ある仕事なんですよ!!!」
男「(少し困惑しながら)何で前の日にしとかないんだよ」
女「知らないですよ!前の日のシフトの方が怠けたんでしょう。どうせ片山ですよ!前もあったんですから!」
男「いや、そいつの事は知らないけれど」
女「だから、早く両替のお金を届けなきゃまずいんです!あーもうピークが始まるまで時間無いじゃないですか!!」
男「あーなら分かった!!外の警官にそのお金渡してお前んとこのお店に届けるようにすればいいだろ?」
女「あなた私の話聞いてました??うちの店舗は県内トップの売り上げなんですよ??私が戻ってシフトに入らないとお店が回らないんですよ!」
男「だったらどうしたらいいんだ!!」
女「両替金を持ってお店に戻ってシフトに入らせてください!!」
男「お前ふざけてるのか?!何でお前だけ解放しなきゃいけねぇんだ!」
女「じゃー帰ってきます!!お昼のピークが終わってまだあなたが銀行に立てこもってるなら戻ってきますよ!!」
男「んな事信じられる訳ないだろ!!」
女「信じてくださいよ!!これでも“いっぱし”を担うの店長なんですから!!」
笑いだす男
女「??」
男「“いったん”を担うな。」
女恥ずかしそうにしている。
男「分かったよ!行けよ!!その代わり約束破ったらただじゃおかないからな!!」
女「あ、、、ああありがとうございます!!」

数日後

女の横にいた男性「ていう走れメロス的な感じになってさ、」
男性の友人「で、その後はどうなったの?」
男性「それがちゃんと帰ってきたの」
友人「(笑いながら)帰ってきたんだ。で、その後は?」
男性「犯人もそれ見て感動して、人を信じることを教えてくれてありがとうっつって」
友人「まんま走れメロスじゃん!!」
男性「そ!それで犯人降伏して無事俺らも助かったって訳よ」
友人「へー。でもお前も子供用の貯金口座作るってだけだったのに災難だったな」
男性「(少し呆れて)本当だよ。生まれる前にこんな事引き起こすんだから不安で仕方ないよ。」

おわり

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