雑すぎる今年読んだ本の感想①
※マジで感想というにはあまりに雑な内容になっています。
※自分の記憶語りなので正しい情報や感想を見たい方はやめたほうがいいです。
その扉をたたく音
瀬尾まいこさんの小説『あと少し、もう少し』の続き?というか
その小説に出てくる人物が登場するというので読んだ。
というか先に言わせて。『あと少し、もう少し』めちゃくちゃ面白い。
『あと少し、もう少し』は中学男子陸上部の話で、部員6人(だった気がする)それぞれの視点で物語が描かれている。確か3年最後の大会が控えているのに陸上部の顧問が辞めてしまって、代わりに美術の女の先生が顧問をすることになったのだが、陸上のことはてんで素人なので段々と歯車が合わなくなって、部員同士も問題を抱えていて、、だった気がする。
めちゃくちゃ面白いと豪語しといて面白さを伝えきれない文章で申し訳ないが、とにかく読み切った後の余韻がすごい。あとがきに三浦しをんさんが寄稿していたのも含めなんかもう読んだ後鼻息が荒かった。あれは文庫本だったからあとがきがあったのかな。なので文庫本をおすすめする。
まあそんな感じで、その小説に出てくる部員の一人がこの『その扉をたたく音』に出てくる。主人公は売れないミュージシャン気取りの男で、成り行きで老人ホームにボラインティアで演奏するが、そこで出会った介護士(元陸上部員)が演奏したサックスに惚れ込み、、、って感じだった。
陸上部員の彼は元々吹奏楽部でかけもちしてたんだっけか。スカウトされた理由も吹部は肺活量ありそうだし、みたいなことを言われていたような。
とにかくその二人が老人ホームで暮らす老人たちと関わりながらなんやこんやある話である。そんなに長くないしすぐ読めた。
『あと少し、もう少し』を読まなくても全然大丈夫。でも読んでほしい。
ぎょらん
想像していたよりファンタジーだった。
死んだ人間の最後の想いが形となって現れ、それがまさにイクラのような見た目をしているためぎょらんと呼ばれているのだが、一度その想いを知りたくて口にしてしまうと、とんでもないことになると言われていて、、、です。
最初の話でどうしても死んだ人の最後を知りたい妹と、引きこもりの兄がぎょらんを探しにいくのだけど、その兄がまさに昔ぎょらんを食べてからヒキニートになってしまったのである。そこから妹の一件があったあと、兄は葬儀屋で働くことになり、そこでさまざまな人の死と一緒にぎょらんについて追っていく、、という話だった気がする。
読み始めた時はその設定に没頭できるか不安だったが、登場人物の描写がすごく丁寧で本当にぎょらんがあったら、、と考えてしまうほどのめり込んで読んだ。
おいしいごはんが食べられますように
表紙からしてほのぼの系かな?と思ったら全然違かった。
主人公はとある企業のサラリーマン(確か…)で、描写的には一見真面目そうだが適度に遊んでもいる感じの男なのだが、驚くほど食に興味がない。なのに付き合う女はお菓子作りが趣味とか、料理が得意みたいな女ばかりなのである。
そして、男と社内で付き合い出した女やその周りを中心に様々な思考が入り混じっていく話、だった気がする。わたしは食べることが好きなので食に興味がない人の考えが一切分からないのだけど、この本を読み終わったとき少しだけ分かったような気がした。それと、昔読んだ『コンビニ人間』に似ているとも思った。
あの本も心理的に理解できない部分がいくつかあるのだけど、読み終わるとなんか少しだけ理解できたような、そもそも自分にもそういう感情や考えがあったのではなかったか、と錯覚させる作品だった。
個人的には男と付き合っていた女の視点がなかったのが逆に読んでて怖かった。三者三様、彼女に対しての感情は哀れみや苛立ちを含んでいて、案外そういう感情って向けられている側が気づいたりするもんなんだが、彼女はどうだったんだろうか、、。
ちなみに図書館で貸出予約して3ヶ月ほど待った。
いざ思い返すと本当に記憶が曖昧すぎる。
どれも全部読み終わった時にはムフーっと鼻息が荒くなったり
妙な達成感さえ覚えるのに、肝心の内容がフッと消えてなくなる。
こういう現象に名前ってあるのだろうか。知りたい。
ともかくまだまだ読んだ本はあるので、
今年中にまとめられたらいいな。
深い冬