目眩
暗い顔して、憎しみばかり吐き散らす過去形にとどまる犬、耽溺を繰り返しては、淫らに裂けて行く時代の行末、印象的なものの模倣を繰り返しては、データを改竄する君たちの私利私欲、輪唱される物々しい言葉や、刺激を孕んだ憂鬱の除去、根底にあふれる共通の話題を翻しては、芝居じみた日々から乖離し、理解なんてものを求めるから、戦争は終わらないのであるし、理解をも超越するような愛の配下になっては、自らの衝動性に苦しみ、朽ち果てる語源と、元素記号に絡まる窮屈な思念や、私生活に織り込まれて行く小説よりも奇なりとバイロンがカタルシスに至るまでの悟性、たちまちに現れる鈍麻な風や、弄る偶像の波形や、形容しきれないもので溢れ返る情理、悲観的な被験者の感染症や、症状よりも速く動く月や、火星に備わるタンパク源により、生き延びて来た火星人とのワルツや、環境の責任であると、未だに幼少期からの苦しみにとどまる君の伸縮性、制約や契約の隅にかたまるトコジラミや、統合性を破壊しては、入り混じるもののすべてを毛嫌いする老婆心のようなものの模倣、驕傲な奴らが仕向ける愚かな判断や、化膿した世界や、麻痺したシステム、たそがれに消え行く過程や、行き過ぎた過ちを追いかける悠長な思念や、数多の過ちの傷痕、シンプルな終わりを感じては、未熟な恋にかぶせた王冠や、調和なんかを求めては、艱難辛苦に寄り添う過程的な憎しみ、主体性もなく、蝉蛻を繰り返した利己的な君の初期衝動や、征服欲に囚われた人々。