偶像
冷めた肌を漁る風、破壊された義務感に苛まれる記憶の仮数、原理的な焦土を歩く僧侶たちの保身や、星を数える子供たちの夏祭り、蓄積されるノイズや、数多の意識の玉砕、猜疑心のアンテナを伸ばし、真理に基づいたエゴを拾い集める遭難者、奪い合う領土や、叩きつけられる衝撃、アノニマスの官軍や、偶像崇拝を続けるたおやかな所以、太陽光に突撃する蜻蛉のような戦闘機や、起伏もなく彷徨うゾンビたちの影、ノスタルジーな記憶の倉庫で働く私は、食べ残しばかりを寄せ集め、空腹を癒すような、卑しさを謳うシステムに備わる忘我と、終わらない戦争を繰り広げ、データした信じられないような奴らの、奴隷になんかなりたくもないから、コマーシャリズムに犯された普遍性が持ち寄る制度に反し、アナーキストを演じる中流階級的な奴らが謳う権利にも反し、ただ、拘うだけに至る忌々しい現実が氾濫し、やがて、全体主義的に街を飲み込むような、悪意のようなものに騙されたくもないし、ただ、弱者たちが抱えるルサンチマンの歪さにも嫌気がさすし、刺し違える事で、満足するはずもないから、絶対的な勝利の影で、苦しむ君たちのエゴを啜る象の鼻や、蝉蛻し続ける意識の翅を広げ、原生林を飛び回りながら、爽やかな風や、穏やかな夜に潜む実体や、大義名分を振り回す自称戦士たちが剪定する意識下に生える花や、眼前に迫るものを抑制したり、抑圧に耐えるほどに、たちまちに狂気と化する間に奏でる心音が、宇宙全体を包み込み、やがて、長い眠りの先では、新たな理由が絶えず生まれ、永遠に生き続け、すべてとの和解を終え、嗚咽し続ける銀河と融合し、言葉を頼りにせず、感覚だけで、永遠すら超越するための方法を知った私は、もう悲しむ事すらなく、愛するための義務化に、苦しむ事もない。