痛みの割合
消えかけた思い出が指し示す、凡庸な価値や幸、司る愛も、突き刺さるばかりであるし、そこかしこで現れる不自由や、ふくよかな世界を撫でる風や、森羅万象に行き届く何故?の声や、ノスタルジーが封緘させた手紙が届くまでには、距離は不必要であり、その場に届くものとは、時間や空間を超越するらしく、すらすらと吐き出される嘘が、画期的なものを生み出して、勝手気ままに泳いだり、あくせく働いてきた十代の面影や、枷や誇りが指し示した、機械的な未来に対するアンチテーゼも、所詮は、自己保身のために、ついた嘘が、本当になるまでの意味の中で磔にされた君は、奇跡を踏み躙り、憎しみを謳歌し、捕食されるままに眺める幼稚な目録、妄想だけが、刺激物である、と、促す国家的な起算やら、複製される真理に澱み、全人類が共鳴し合う人類最後の日なんてものは、来るはずもないし、人間とは、孤独に散る運命ではあるが、そこかしこであらがい、現れるものを、そのままに純粋に受け入れたり、受け取る間に経過していく物語に合致する未来や、すがるほどに陥る闇や、君の悩み事に起因するものをすげ替えてまで、確かなもののように見せつけるような答えにこそ、裁きを加え、もう二度、ルサンチマンやペシミストや、レイシストの手に渡らないように、対価を生む戦争がやがて、高温を保ち、すべてを飲み込み焼き尽くす未来を想定し、聖戦と名付けられ、神を見つけ出した人々が見繕うものが、取り繕う間に迫る終わりも、やがて遠退き、確かな未来は、確かなものの手により、作り直されては、また、同じ過ちを繰り返していく。