
伝説
飄々と問題を乗り越えて行く狒狒の群れ、踏みつけられた花々が、泣いているようだ、とカタルシスに至る君の涙は、依然として、誰かに良い人だと思われたいが故に、吐き出される言葉が、空中で消え去るまでの距離、関与するほどに、食い込む値や、有する価値により、混沌としている今朝、重複する観念が、君の回路をショートさせて、手懐けられた理想を追いかけるほどに、乖離して行く日常との懸隔が生まれ、あてがわれた罪に服従し、不安へと誘うための正義が、次なる犠牲を生み出し、自らをよく見せるために、虚栄を張る辺りから、あらがう君の理性を吸い込む掃除機や、直訴した途端に処刑され、些細な出来事がデータ化され、グノーシス主義者が謳う壮大な宇宙論に飲み込まれた火星人たちや、対比されるために生み出されたコピーロボットたちが徘徊する電子的な街並み、倫理観すら潰えたカースト制により、格差を与えられた人々のしあわせを紡ぐ君の細い腕、換算されるための、政略結婚がムーブメントになる辺りから、連帯感が生み出すニセモノの炎上や、有する精神が、カタトニーに陥るまでの、脳内の蓄積物、モラルがどうとかと迫る君の価値こそが、歪んだ理由を生み出す事を気付かぬままに、批判的に今を乗り越える事により、更なる歪みを生み出し、偏り続ける思想が、今に潰えて行くだけの、体制的な動きに反し、原始的で、献身的な馴れ合いにより、老け込んでは、混濁している私たちや、痩せた感情が孕む愛に似たような物質により、狂ってしまった毎日、ノスタルジーに平伏す古びた信念を破棄し、時代的なものの横柄さを乗り越え、自らに帰り着くまでの軌跡。