エゴ
闇を引き裂く大きな爪たる私の衝動、世界は、ここにあると、うるさく付きまとうカラス、掃き溜めを泳ぐ猿や、ティーンネイジャーの終わり、カトプレパスがうごめく砂漠の街、輪廻転生を折り曲げて作ったモニュメント、アスファルトに張り付く動機、隣接する憂鬱を化合物で混ぜて、作られた錠剤が降る夜、毎日の責任なんて、簡単に消費して、運命的な出会いに昇天して、濫りに与えられたエゴにより、損なわれていく愛や、すり替えられる物事に乱立する正解や、贖うだけの日常に矜持なんてものは、死滅して、破壊され尽くした都会を眺めるぼんやりとした目、価値観を押し付けるだけのルサンチマンどもの至福、汚穢が迫り、退屈な心情を摩耗させ、あらゆる背景に磔にされた神、生産的なアイドルたちが闊歩する未来に飛来する流子により、アレルギーになってしまったまどろみの仮数、複製される引力により、むすばれた二人は、派生する外からの憎しみに苦しみ、擦り寄るための過程や、暗澹とした余罪の彼方で、重複する宛先を根治しては、みずみずしい春を頬張るのだ、と打算的な私の頭の中で囀る鳥や、痩せ細った街路樹に絡まる廃れた電飾や、愉快犯が散りばめた意図、毎晩の策略を打ち砕くためのハンマー、面影にせまる太陽嵐により、混濁した脳内の電磁波、管轄に備わる絶対的な権力を破棄し、殺伐とした街をさまよう、原始的な影が飲む鎮静剤の、毒々しいパッケージにより、孤立していく意識、明日すらも、無惨なものに飲み込まれては、食い込む値などにより、狂わされた人生など、と嘯くよりも、この、怯懦な世界に迫る攻撃的な病原菌を駆逐するための、エモートが降り、現行を駆逐するだけの、絶え間ない闘争を飛び越え、刹那に迫る幻の虜になる前に、現実での、荘厳さに触れる。