SaaSのカギは『開発力』にあり〜メディカルフォースの美容医療での挑戦〜
メディカルフォースの組田です。美容クリニック向けのAll in One SaaS『medicalforce』を開発しています。
リリースから1年、60を超えるクリニック様に利用いただけるようになり、現場業務の効率化をしっかりサポートできるようになったのかなと実感しています。
短い期間で現場に普及した『medicalforce』ですが、創業メンバーに僕を含め業界経験者はゼロです。
では、メディカルフォースがどのようにSaaSを現場に根付かせてきたのか。それを初投稿のトピックとして書いていきたいと思います。
カギは『開発力』にあり
『開発力』と書きましたが、単純に「個の高い技術力」や「大人数でたくさんコードを書く力」のような意味合いではありません。
僕は、ことSaaSを提供する会社にとってこれを顧客の課題に対するソリューションを素早く提供し続けられる力だと認識しています。
SaaSは顧客とともに時間をかけて成長していくモデルであり、一点突破なやり方、例えば「スーパーエンジニアがいる」とか「めちゃくちゃ売るセールスがいる」だけでは成り立ちません。
そして何よりも、業界に関心を持って顧客に向き合うことが何よりも大切だなと感じています。そうでなければ顧客ひいては自社の成長は見込めないし、そもそも継続できません。これに関しては興味を惹く要因として、僕たちに美容や医療のバックグラウンドがなかったことが逆にうまく働いた感じはあります。
補足でスーパーエンジニアがいるだけでは成り立たないと書きましたが、いた方がいいのは間違いないです。実際メディカルフォースはこれが圧倒的なMoatを築いています。
『開発力』を生み出す仕組み
ではどのように『開発力』を生むかという話ですが、僕はメディカルフォースでこれが次の3つによって実現されていると考えています。
顧客理解
アジャイル設計
QAチームの整備
それぞれについて簡単に説明していきます。
1. 顧客理解
同じ美容医療の中でも施術の種類はたくさんあり、クリニックによってオペレーションやITリテラシーはまちまちです。またクリニック内の業務はPRや、来院してからの予約から会計、経営管理や顧客のナーチャリングまで多岐に渡ります。そういった環境にSaaSを1つ、ソリューションとして投下することですべからく皆の成長を手助けする、これは一にも二にも現場にどれだけ足を運ぶか、顧客の声をどれだけ直接聞くかにかかってきます。
エンジニアも現場に足を運ぶ大切さ
メディカルフォースでは営業やCSはもちろんのこと、エンジニアも現場に足を運び、顧客の声を直接聞いてきました。これはスタートアップ創業時の人手不足による側面もあります。が、実際にモノを作るエンジニアが現場を想像できたおかげで、良質なソリューションを素早くプロダクトに落とし込むことに成功してきました。また直接フィードバックがもらえるのでモチベーションをかき立てられるというのもあります。
メディカルフォースではCSチームが先導して、訪問を含む積極的なサポートを実践しており、今後もそうした場面でエンジニアが同行し、現場を知る機会を設け続けたいと考えています。
2. アジャイル設計
複雑かつ多岐にわたる現場業務に一貫した一つのソリューションを提供することは極めて難易度の高いことです。そのためメディカルフォースの開発チームでは、短いサイクルで価値提供を続けるアジャイルスタイルを取り入れています。
具体的には2週間のスプリント期間で仕様策定から実装、テストまでのサイクルを回しています。つまり1ヶ月に2回プロダクトを更新し続けていて、これがMoatの広さや顧客のロイヤルティの高さにもつながってきます。
全社のフローもアジャイルに変容させる
プロダクトもそうですが、社内全体のフローもアジャイルに変容してきました。とても難易度の高いことをやっているので、スプリントごとに様々な課題が浮き彫りになっていきます。それは今後も顧客数の増加やメンバーの増加に伴い、さらに増えていくはずです。
そうした課題を特定の誰かではなく、皆が気づいたタイミングで全社に投げかけ、そして全員で議論してきました。結果としてフローがスプリントを終えるごとに洗練されていき、現在も、スピードも質も落とさない価値提供を継続できています。
今後もこうした改善サイクルが回し続けられるように、メンバーの声の通りやすさは企業風土として大事にしていきたいと考えています。
3. QAチームの整備
リリースからまだ1年ですが『medicalforce』はAll in Oneでクリニック業務の全てを担いうる機能群を備えてきました。一般に機能数の増加に伴いプロダクトとしての品質保証の難易度は上がっていきます。メディカルフォースでは一貫してハイクオリティを維持するために、QAチームを整備してきました。
スプリント最終週に新機能を含めた全機能についてテストケースを洗い出し、それをベースにテストを行っています。バグ検出率やUXの向上を図るため、このフローもスプリントごとにブラッシュアップしています。
『開発力』で美容医療を盛り上げたい
美容医療という業界は新しく、年々成長を続けています。メディカルフォースはここで『開発力』による価値提供を続けながら、業界とともに成長していきたいと思っています。
最後になりましたが、僕はメディカルフォースではCOOを務めており、今はプロダクトのフロントエンドの管掌がメイン業務です。前にも書いた通りメディカルフォースの技術力には自信があるので、技術スタックやSaaSにおけるUI設計などのトピックについても今後触れていけたらなと思っています。
あとMeetyもやっているのでぜひカジュアルにお話ししましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?