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男性のみなさん、一緒に世の中を変えませんか? 〜男性が女性の性を語る葛藤を乗り越えて見えてきたもの〜
キャリアコンサルタントの東 公成です。
月経、PMS、妊娠・出産、更年期といった女性の健康課題に光をあてながら、女性がその人らしくキャリアを形成していくための管理職向け研修を、私はこの3年ほど“mezame”でおこなってきました。
“女性の健康”は、女性性にも密接にかかわる内容です。
私は男性ですが、日常生活であれば人前で口にするにはかなりの勇気が必要な単語も、研修というたくさんの受講者の皆さんに向けて使わなければなりません。
仕事とはいえ、そこに葛藤やためらいを感じなくなるまでに、いくつもの壁を乗り越えてきました。
いま感じているのは、こうした壁を乗り越えて見えてきたものこそ、私が真にお伝えしたいことであり、今の世の中に必要なものではないかということです。
乗り越えてきた壁と葛藤と
2019年10月、初めてmezameの会議に参加したその場で、女性のメンバー同士がオープンに生理や更年期について語る様に、正直私はドキドキしました。
「この人たちは、男性がいる前で女性の性の問題をオープンに話すことに躊躇いはないんだろうか!?」
とはいえ、mezameへの参画を決めた以上、いつまでも躊躇したままではいられません。私はためらいを隠しながら、彼女たちに生理や更年期について、おずおずと質問してみました。
これが最初に乗り越えた小さな壁です。
すると、彼女たちは誠実に答えてくれました。ためらいを乗り越えて正直に質問したことで、仲間に入れてもらった感覚を覚えました。
私はキャリアコンサルタントとして、キャリア形成の観点から女性の健康課題についてお伝えしますが、やはり表面的な知識を身につけただけでは、どうにも言葉に説得力が出せません。
そこで、一般社団法人女性の健康とメノポーズ協会が実施する「女性の健康経営アドバイザー」試験を受検することに決め、資格を取得しました。
資格取得にあたってためらいはありませんでしたが、「試験に合格する」という新たな壁を乗り越える必要がありました。
勉強をしていて、女性の身体には子孫を残すために大変精密な”ハードウエア“と”ソフトウエア“が組み込まれていること、そして、生理前のPMS(月経前症候群)や更年期症状が引き起こすメンタル不調など、外部環境からも内部要因からも不調をきたす可能性があることなどを学びました。
こうした健康課題由来の不調が女性の働き方やキャリアに及ぼす影響について、自分に置きかえて考えられるようになってくると、それまで感じていた壁や葛藤のことは頭から消えて、当事者意識に近い真剣さで向き合えるようになってきました。
性差理解に必要な視点、不要な視点
さて、ここまで何度も使ってきた「葛藤」という言葉ですが、それは何に対する葛藤なのかをこのあたりで明確にしたいと思います。
もし、不快感を感じる女性がいたら申しわけありません。先にお詫びしておきます。
そう、私がmezameのメンバーとして研修準備の過程で対面していたのは、多くの男性が女性に対し、自然の摂理として抱いてしまう“性欲”なのです。
多くの男性にとって、女性は「性」の対象です。
もちろん、当然ながらmezameでは、そうした文脈で女性の性は扱いません。けれども、やはり私は男性です。この部分の分離がうまくできないとき、心理的な葛藤が私の中に生まれたのだと認識しています。
ただそうした葛藤も、女性が女性ゆえに身体やメンタルに不調を感じ、その積み重ねが働き方やキャリアに影響を及ぼしていることの深刻さを理解するにつれ、また、実際にそうした経験をしているみなさんの生の声に触れるたびに、次第に薄まっていくのを感じるようになっていったのです。
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葛藤を乗り越えて今、見えるもの
まずひとつ目は「性とは生きることである」ということです。
キャリアコンサルタントとしての基本的な考えの中に、キャリアとは「生きることであり働くことである」というものがあります。
女性の性機能も「生きること」そのものです。
例えば女性のなかには、排卵前に体調がよくても、排卵後に体調が優れなくなる人が少なからずいます。
また、月経がはじまって生理用品を適切なタイミングで交換できないと、着衣や椅子を経血で汚してしまう可能性が出てきてしまいます。
女性にとって、それは不快であり、恥でもあり、「やってしまった」という心理的なダメージにもつながり、全力で阻止したいある意味では失敗です。
そうしたことを男性も知っていれば、会議中に適切なタイミングで休憩を入れたり、室内の空調温度に配慮したり、波のあるパフォーマンスに対して理解を示すことができるようになるでしょう。
また、更年期には自律神経が乱れ、月経とは別の理由で働き方に影響が出るということを知っておくことも必要でしょう。今や、更年期世代の女性は、すべての働く女性の中で最も多い年齢層を占めています。
こうしたことを、自然の摂理として、生きているからこそ当たり前のこととして、そのまま理解することは、男女が共生していくためにとても大切なことだと思うのです。
女性の健康課題を理解することは、共生を考えることにつながる
葛藤を乗り越えて見えてきたもうひとつのことは「女性の健康課題を理解することは、共生を考えることにつながる」ということです。
過去のnote記事でも書きましたが、女性はPMSや月経で不調を自覚していても、それをことさら表に出すことはなく、不調に気づかれないよう、パフォーマンスが落ちないように自分でケアをしています。
この事実は私にとって、mezameを通して得た知識のなかでも大きなものでした。
1年ほど前になりますが、男性向けに女性の健康とキャリアを伝えるセミナーを準備していた際、「女性の健康と働き方についてしっかり学んでくださいね」と、ことさら男性向けに強調しすぎると、男性から「なぜ女性だけ?」という声が出るのではないだろうかという疑問がわきました。同じタイミングで、やはりあるお客様から同じ懸念の声があがりました。
女性に不調があるように、男性にももちろん不調はあります。働き方という観点で見ると自身は健康であっても家族が不調の場合、その介護でパフォーマンスが落ちて見えることもあります。
“女性の健康とキャリア”というところから出発しましたが、何らかの事情で100%のパフォーマンスで働けない状況は、実は働く人であれば誰であっても直面する可能性があることなのだとたどり着きました。
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少し横道にそれますが、女性は多くの健康課題を抱えているだけではなく、家事育児の負担も圧倒的に女性側に偏っていました。
以前、既婚でお子さんがいる女性が、なぜ管理職昇格を辞退するのかという問題を調べていた際、「男性が深夜まで長時間働けば、家庭内では家事・子育てのほとんどを妻が担うことになり、管理職の職責を果たすだけの余裕が時間的にも、心理的にも、体力的にもない」という現状が根幹にあることを知りました。
つまり、健康課題、介護、家事・育児といった理由で、職場で100%のパフォーマンスが発揮できない人がいたら、管理職に限らず他のメンバーもその事情がどのようなものなのかを知ることが大切なのです。
もし、それが身近な人に起こっていることであれば、自分事として考えてみること、感じてみることがより良い働き方と生き方につながると思います。
今の日本社会は大きく変わろうとしています。
「これまでの当たり前って本当に当たり前なんだろうか?」
「誰かの犠牲のうえに成り立っているのではないだろうか?」
“mezame”は、そうしたことを考えるきっかけとしても機能しているプログラムだと思います。
男性のみなさん、一緒に世の中を変えませんか?
これまでmezameの管理職向け研修を受講された方々の多くから
「これからは、生理中の女性がいるかもしれないということを肝に銘じ会議を1時間以内にする」
「女性の健康だけでなく、他の事情をお持ちの方がいることに思いを馳せ適切な行動を考える」
といったコメントを寄せていただいています。
女性の健康について知り、知識だけではなく感情としても理解することが、自分事として落とし込むことにつながります。
自分事として落とし込まれると思考が変わり、行動が変わります。
昭和は遠い過去となり、平成も過ぎ去り、令和の時代に入りました。視座を高く上げ、視野を拡げると、いままで見えなかったものが見えてきます。
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管理職の男性のみなさん、
女性パートナーをお持ちの男性のみなさん、
そして、女性とともに働くすべての男性のみなさん。
新しい時代をぜひ、私たち“mezame”と一緒に作っていきましょう。
■ 文/東 公成(あずま・きみなり)
国家資格キャリアコンサルタント、DiSC認定トレーナー、プレゼンテーショントレーナー、女性の健康経営アドバイザー
“mezame”は健康とキャリアの両輪で
はたらく女性を支えるプログラムです
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さんぎょうい株式会社が提供する“mezame”は、産業保健師と国家資格キャリアコンサルタントがタッグを組み、
*女性の健康知識とキャリアプランニングの基礎研修
*ライフステージ別・職級別のオーダーメイド研修
*従業員個別のキャリア面談によるモチベーションアップ
をおこなうキャリアサポートプログラムです。
女性特有の周期的なからだの変化、年代やライフステージごとに変わっていく役割、体調、かかりやすい病気…。
ウィメンズ・ヘルスをふまえて“はたらく”を考えれば、女性従業員のパフォーマンスは今以上に向上し、女性自身もなりたい自分、叶えたい人生に近づくことができます。
女性活躍推進や健康経営施策としても最適なmezame。
経営者、人事・HRご担当のみなさん、ぜひ導入をご検討ください。
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