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不登校の親として感じたこと、そして私ができること

一昨日、川崎市の中原ソーシャルデザインセンター主催の寄り合い大交流会で、不登校についてお話しさせていただきました。
その場でお伝えした内容を、改めて文字にしてみたいと思います。


子どもが不登校になると、親はどうなるのか

私は、子どもが不登校になったとき、心が一度「死んだ」ような感覚になりました。
それほどまでに苦しく、つらい状態でした。

そして心が疲れていくだけでなく、仕事すらできない状況になることもあります。
子どもが小さければ、ひとりで留守番は難しい。
大きくても、あまりにも不安定であればひとり残しては行けません。
幸運にも私は在宅で働く道を選べましたが、在宅就労が認められず、仕事を辞めざるを得ない親御さんも多くいらっしゃいます。
不登校そのものの不安に加え、経済的な不安が重なることで、家庭全体が苦しい状況に陥ることも珍しくありません。

子どもだけでなく「親」の支援が必要

最近では、不登校の子どもたちへの支援が増えてきています。
しかし、親への支援はまだまだ少ないと感じます。

私は、不登校の子どもを持つ親が「楽しめる居場所」を作ることに取り組んでいます。
悩みを話してスッキリしたら、その次のステージに上がっていけるような居場所です。
たとえば、川崎市での不登校の親の会「あじさいサロン」、オンラインコミュニティの「めいめいサロン」。
不登校の親の会「あじさいサロン」は会員制ではないので、どなたでも参加することができます。
大変好評だったので、来年度からは定期的(偶数月)に行い、固定の日曜日にする予定です。
オンラインコミュニティでは、親のZOOM座談会だけでなく、子ども同士が伸び伸びと話せるZOOM座談会があります。
こちらは大交流会に参加した高校生たちにも好評でした。

そして、不登校家庭の悩みを軽くする食育講座。
栄養素の話だけでなく「何を食べるかも大事、どう食べるかはもっと大事」を伝えています。
食卓に着かない子や、食べることにこだわりすぎる子、家族の食事時間に起きてこない子に、どうアプローチしていくかをお話しています。

これらは一見「親」の支援のように見えますが、実はすべて子どもの支援にもつながります。
親が楽しみ、元気を取り戻すことで、子どもたちはエネルギーを蓄え、いずれ必ず自分の道を歩み始めるからです。

学校へ行っている子と、行っていない子

大交流会に参加していたのは、小学校も中学校も通ってきた高校生たちでしたが、不登校に偏見などはなかったです。
「どう関わったら良いんだろう」「このチラシ(私のサロン)渡したいけど、渡したら傷付くんじゃないか」「夜にも話せるオンラインの居場所が必要だ」など、勇気あるコメントを頂きました。

不登校の子どもからすると、学校へ行っている同世代はキラキラして見えています。
息子も5年前の中学生の時

「学校へ行ってるやつとオレは違うから。バカだもん」

と言っていました。

いわゆる劣等感です。
大丈夫、必ずキミたち不登校の子も飛び出せると思っていたよ。
ほらね、5年経った今、何歩も踏み出しているじゃないか!

「不登校の原因は、親が甘いから」への反論

不登校が増えている理由として、「親が簡単に『学校に行かなくていいよ』と言っているからだ」という声を耳にします。
でも、それは本質をまったく見ていない意見だと私は思います。

不登校の親たちは、さまざまな葛藤を経た末に、子どもを受け入れるようになったのです。
その背景には、親子で地獄のような苦しみを経験した事実があります。
決して、親が軽い気持ちで不登校を容認しているわけではありません。

不登校は「サボり」ではない

不登校の子どもたちは、決して学校を「サボっている」わけではありませんよね。
もし本当にサボりであれば、3日もすれば学校に戻るでしょう。
不登校の子どもたちはゲームをしていても、YouTubeを観ていても、のんびり構えているわけではありません。
襲ってくる不安や恐怖を紛らわすために、それをしているのです。
勉強が学校を思い出させますよね。
それに、勉強ができるほど頭の中もスッキリはしていません。
集中なんてできるはずがないのです。

仮にサボりだったとしても、それは本当に悪いことなのでしょうか?
大人だって、たまに休むことでリフレッシュし、次に頑張れることがあります。
大人には有給休暇があるけれど、子どもにはありません。
未だに皆勤賞を大人が意識していますが、集団の中に居ることって結構疲れますよ。
コミュニケーションの連続。
大人だって仕事や家事をやらず、1人ゆっくりしたいことがありますよね。
子どもたちにも、そのくらいの自由があっていいのではないかと私は思います。

苦しんでいる親子がいる現実と、それを変えたい思い

「多様化」という言葉が広がる一方で、不登校の親子が家庭で苦しんでいる現実があります。
驚くべきことに、この状況は10年前とほとんど変わっていません。
不登校が本当に受け入れられていれば、このような現実は起きません。
まだまだ「学校へ行っていれば幸せになれる」と信じている親は沢山います。
学校というレールから外れることに恐怖を覚えているのは、実は親の方かもしれません。
そのことで行けない子どもが苦しむのです。
わが家ももちろんそうでした。

だからこそ、私はこれからも不登校の親子が前を向いて歩いていけるような居場所づくりを続けていきたいと思います。
親も子も安心できる場が広がり、多くの親子が元気を取り戻せるように。


最後まで読んで下さってありがとうございました^^
少しでも「気づき」や「安心」を感じていただけたら嬉しいです。

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