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「対人援助の現場で使える 聞く・伝える・共感する技術便利帖」 大谷 佳子

インタビューに必要なスキルを分解すると
・聞く
・質問する
・背景となる知識(ジャンルによって異なります)

になるかと思います。

今日はこのうち「聞く」と「質問する」に関連する本の紹介です。


この本の構成は次のようになっています。

第1章 対人援助職としてのコミュニケーション力を高めよう
第2章 聞き上手になる技術
第3章 伝え上手になる技術
第4章 共感上手になる技術
第5章 押さえておきたい援助職のヒューマンスキル

「自分は対人援助の仕事をしているわけではないし、商品・サービス開発のためにインタビューをするだけだから、この本は関係ない」と、とっさに思う方もいるかもしれません。そう思った方こそ、この本を隅から隅まで読んで習得していただきたいと思っています。

対象者は緊張したり、初対面のインタビューアーにいい人に見てもらいたいという気持ちが働くことがあります。そのために、発している言葉と事実が離れているっていうケースも起きます。結果として、対象者の言葉を文字通りに受け取ると、知りたい「ホントの情報」から離れた情報を得ることになることも。つまり、「言質は確かにとれても、ホントかな?」っていう心配事も。
せっかくやるリサーチです。きちんとしたデータはとることは必須ですよね。だからこそ、対象者が安心して話せる環境を作ることがインタビューアーには必要です。その環境づくりの大きな一因を担うのが対人コミュニケーション

これは、対人支援の現場でも同じことが言えます。その対人支援、具体的にどんな点に注意してコミュニケーションを図るのかテクニックを具体的に教えているのがこの本の大きな特徴です。

大きな売りとしては聞く力・伝える力・共感力チェックリストがついている点。これらのチェックリストを見ると、自分の弱点がよくわかります。ちなみにわたしも初めてこの本を読んだ時に「聴く力が弱いなぁ」と思い凹みました。

でもそんなに凹みすぎなくて大丈夫!なぜなら、この本にはその弱いスキルを強化しようねという具体的な方法がてんこ盛りだからです。

そのひとつが、問いかけの言い換えワークシート

時々とっさに直接的に対象者の方に質問を投げかけたくなるときがあります。「なんでこれを買ったんですか?」とか。でも、その質問の回答は理由には対象者の方の解釈が入っており、事実とは離れてしまいます。

だから、「なぜこれを買ったんですか?」ではなく、「この商品を買った時どんな状況でしたか?」などといった言葉に言い換えて対象者に問いかけることが必要です。

実はマーケティングインタビューに関する本で言い換えに関してリスト化しているのは見たことないなぁって思ってます(もしかしたらあるのかもしれませんが、自分の探している限りではないという意味です)。ですので、この本を初めて読んだ時におお!って感動しました。また、本を参考にして自分なりの質問言い換えリストができるようになるかなと思います。

この本を特におすすめしたいのは、インタビュー初級者の方。どうやって聞けばいいのか緊張してなかなか思い浮かばないこともあるでしょう。また、うまくいかなかった、どうしてだろうと悩むこともあるでしょう。
その時にこの本で自分のインタビューの振り返りに役立てられると思います。(このシリーズは他に2冊あります。そちらも紹介します)

対人援助の現場で使える 聞く・伝える・共感する技術便利帖


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