見出し画像

ユーザーの「心の声」を聴く技術 奥泉 直子

ユーザーインタビューに関する本を紹介します!…と言いつつ、まったくアップできておらずすみません。完全に糖尿病予備群に関してメタメタモードで、PCの前に座りつつも手つかずという日々を過ごしてました。ぶれやすいなぁ、もう。

「まだ予備群じゃないかー。気に病みすぎ」、っ客観的に思うんですよ。
が、カレー食べて血糖値200超えかよ!とか、一口炭水化物をとるだけでこんなに血糖値があがるの!?などなど未知の自分に気がつくとかなりのショック。こんなに上がるってことは、自分が確実に体が加齢をしている現実に気がついたことと、もう自分は一生分のパンを食べてしまったんだなぁっていう悲しみですね…。さよなら、ふわふわパン。クロワッサン(涙)。

そうはいいつつも、ありがとう科学技術の進歩ということで、糖尿病の原因となっているβ細胞を増やす治療薬の開発も進んでいるんですよね。なら自分ができることは、いかに今の健康を維持できる=血糖値をあげすぎない生活をするかということ。

そのために、心が囚われてました。「これを飲んだら血糖値が下がるのではないかないか」「これさえできれば、成功ではないか」。いろいろ検索して仮説立てて実行して凹んでっていう繰り返しです。完全に新規サービスやサービス改善のときと一緒

〜商品・サービスの改良をしようと思っても、どうしたらいいかわかない。バランスシートでは改善やブレイクスルーのヒントは教えてくれない。
定量調査をやってみようにも、消費者の心の動くポイントは教えてくれない。
AIで分析しようにも(以下略)〜
なら、直接ユーザーインタビューで聞いてみよう!っていうことが多いんではないでしょうか?数々の調査をやってみて、調査に絶望したりとかも。ああーありますよねー。

------

「初心者向け」「基本書として」…ということでいくつか本を紹介済みですが、
今回は中級向けのご紹介。つまり、すでにユーザーインタビューをやっているんだけれどなんだかしっくりこないなぁ、と調査に携わっている人向けの本です。それが、「ユーザーの『心の声』を聴く技術」

この本は次のような構成になっています。

第1章 計画を練る 目的設定と手法選びの落とし穴
第2章 ユーザーを集める リクルーティングの落とし穴
第3章 本番に備える おざなりな準備の先にある落とし穴
第4章 ユーザーと向き合う いざ本番!セッション中の落とし穴
第5章 データを読み込む すべてを台無しにする分析と解釈の落とし穴

この章の構成を見ると、以前に紹介した本と大きな違いがないと思います。
それでも中級編としておすすめをする理由は、そうそう!そうなのよ!っていうインタビュー実査に携わるものとして膝を打ちたくなる事例が多く載っているからです。

例えば、なんか調査をしなくちゃいけなくて…と、調査をすると答えが出てくるような発注。
インタビュー対象者さんが、プロダクトやサービスの改善策の答えを与えてくれると思い込んでいる。
発注者の方が「最初のイントロは時間短く」といって、対象者とのラポール(良好な信頼関係)を築くことに理解を示してくださらない。

調査意思決定側(依頼者)の気持ちってすごくわかるんですよ。
お金払ってるんだから、時間内に全部聞きたい、答えを知りたい、だらだらとした(ように聞こえる)日常会話なんて分析には使えない、さっさと答えを引き出したい…。

で・も・ね。そうやって焦れば焦るほど、一瞬「効率的」に見えるような行動をすればするほど本当に欲しい物から遠ざかっていくんです。それがインタビューの落とし穴。つまり、発注をする人も実査もする人も見落としがちな重要ポイントが実はいっぱいあります。

そんな落とし穴を、この本は調査の局面ごとに紹介しています。

この落とし穴を知ることにより、発注者は自分の発注が実は間違っていたんだということが気がつくと思います。実査をする人には、ユーザーインタビューをなんどか経験をして初めて疑問をもち、そしてどうやって改善したらいいだろうか?と自分で課題を持ったときに効力を発揮します。
だからこそ、これまでやってきた人は「ああ!自分はこんなに間違っていたのか!」ってちょっと凹んじゃうかも。でもおめでとうございます。あなたはもっといいユーザーの本音に近づくことができるってことで気持ちを納得させましょう。


また、この本を読むことにより、「いかに事前の準備が重要か」ということがわかると思います。ユーザーインタビューの成功は、当日に「どうやって何を聞けばいいんだろう」という課題を解決することではありません。対象者ひとりひとりの生活も背景も違います。ひょっとしたら、対象者が遅刻したり、想定した条件と違っている、っていうことも在るかと思います。そんな場面でも心の声を聴き、自分たちのプロダクト・サービスの開発をよりよいものにするには、マーケティングの知識だけではなく、調査の知識、そして人間そのものの理解、組織の動き方、と幅広い物事を学び自分のものにすることが必要です。

よりよいプロダクト開発に活かせる良書だと思います。強くおすすめします。

〜って書いていて。自分も健康に関してはいろんな落とし穴に落ちまくってるって気がつきました。仕方ないですね、コツコツ頑張りましょう。

いいなと思ったら応援しよう!