寝台列車の想いで。
中学2年生の頃に行った修学旅行。僕たちの中学校は無難に東京だった。当時はまだ、寝台列車なるものがあちこちに存在していた。僕たちは、寝台列車に乗って修学旅行へ出かけたんだ。
気の置けない友達と連れ立って、体の芯まで冷えそうなほど冷房がきいた列車内を散歩した。2段ベッドが車両の奥までずらーっと並んでいる。
ほとんどの奴がカーテンを閉めずに、小さな通路を挟んだ対面の人らと談笑していた。
なかには、隠し持ってきたゲームボーイで遊ぶあいつなんかも…。「先生にチクるぞ!」とか言っちゃって、からかったっけな。ああ、懐か死。
皆、元気かなあ。いや、元気な訳ねえよな、こんな世知辛い世の中なんだもんさ。元気な人ばっかりだったらホラーだよ。
懐かしさから、当時乗ったであろう寝台列車をググってみた。僕らの最寄り駅がある「羽越本線」を通っていたのは「定期寝台特急列車あけぼの」みたいだ。
これに乗って僕らは、東京へ発ったんだ。
過去の淡い想いでに浸りながら、今日もゆっくりおやすみなさい。