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太陽が終わる日

太陽の光がだんだん弱くなっている。
そう、テレビニュースで言っていた。
政府は太陽のために策を講じた。
けれど全て無駄だった。
人間の力が、この地球の神とも呼べる太陽に及ぶことはない。
人々は日に日に恐れをなしていった。
太陽の終わりは、この世界の終わりであるかもしれない。
そして、学者によると今日が太陽が終わる日であるらしい。
街を歩く人は、みな鬱々とした表情をしている。
僕は、店で花火を買った。
店員には、不思議そうな顔をされた。
そして近所の人に花火を配り、小さな花火大会の告知をした。
大線香花火大会である。
僕たちの神の終わりの時を、線香花火と共にしようと思った。
太陽の光が消えるのは、午後3時。
公園には、近所の人が集まった。
午後2時57分になって、僕はみんなと線香花火を始めた。
1分、2分と経ってだんだん脱落者が出てきた。
脱落者は、消えゆく太陽に恐れをなして悲鳴を上げた。
僕は耐え続けた。
午後3時になって、確かに太陽は消えた。
辺りは暗くなり、静けさが訪れた。
ただ僕の線香花火はまだ消えていなかった。
まだ僕の太陽は消えていない。

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