Web3ビジネスは「女性にも独自の強み」 海外YouTuberら登壇【IVS Crypto 2022】


左はTess Venturesの創設者でフォーラムのモデレーターを務めるTess Hau氏、右はNyan Heroes共同創設者のWendy Huang氏

那覇で開催中の日本最大級スタートアップ・カンファレンス「インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)」で7月7日、「Women empowering Web3」と題したフォーラムが開かれた。NFTゲーム「Nyan Heroes」の共同創業者で最高マーケティング責任者(CMO)のWendy Huang氏らが登壇し「コミュニティ主導のWeb3ビジネスを構築する上で、女性には独自の強みがある」と語った。

Huang氏は「Wengie」の名で歌手活動なども行い、Youtubeチャンネルには約1400万人の登録者がいるインフルエンサーとしても活躍している。Huang氏は、自身がゲーム業界に入った数年前は、アドバイザーの多くは豊富な開発経験や技術経験を持つ男性だったが、Web3の時代となった今ではより多くの女性アドバイザーを持つことが重要であると指摘した。

「Web3を商業的で大衆的な市場にするためには、人々の面倒をみなければならない。それは時にエモーショナルなもので、気持ちの問題」と述べ、感情面で優れた資質を持つ女性アドバイザーの存在は、論理的思考や数字の分析に長けた他のメンバーを補完して、異なる視点をもたらすことができると説明した。

すでに多くの女性が企業を通じてWebに大きな変化をもたらしているが、その方法はそれぞれで、必ずしも標準的な道筋をたどっているわけではない、とも言及。現在業界で活躍している女性たちが、Web3も自分たちの道になりうるということを示せば、Web3関連の仕事をする若い女性が増えるだろう、との展望も示した。

セッションに参加した(左) Lootex Technologyの共同設立者兼最高経営責任者(CEO)Justine Lu氏と(右)Blockchain SpaceのJen Bilango氏


また、Web3のギルドのデータ集約を行うBlockchain Spaceで企業戦略や成長部門を率いるJen Bilango氏は、男性運営者が目立つギルドにアドバイスをした経験を披露した。Blockchain Spaceはこれまでに、200万人のプレーヤーを抱える約2万4千のギルドを、メタバースでスケールさせるために支援。「女性は戦略を練ることができ、アイデアを出し合うことができる。"種 "を植えることができる」と述べ、多様性を高めるために、ギルド(特定のプロジェクト等に取り組む集団)や企業でより多くの女性をマネジメント職に雇うことが重要だと指摘した。

現在、暗号資産のプロジェクトが直面している問題の一つに、大部分が少人数で似通った嗜好のグループに限定されてしまう点がある。Bilango氏は、フィリピンのブロックチェーンゲーム「Axie Infinity」を例にあげ、およそ100万人のプレーヤーのうちの80パーセントが、Web3を初めて利用したユーザーであると説明。さらにプロジェクトのアイデアをローカライズし、家族や友人などに伝えられるギルドの貢献によって、同国では暗号資産の市場が拡大していると解説し、そうしたコミュニティーの育成や構築、消費者の関心の理解に、女性の長所を有効的に活用できると述べた。

ブロックチェーンを利用したゲーム内アイテムのマーケットプレイスを運営する台湾企業Lootex Technologyの共同設立者兼最高経営責任者(CEO)のJustine Lu氏は、女性は「母親」や「妻」など家庭内での多くの役割と責任で頭がいっぱいになっているかもしれないと言及。そうしたときに大切なのは、自分のコアバリューを考えることだと述べ「コアバリューは、道に迷ったときの北極星のようなもの。ジレンマに直面したときに導いてくれる」とコメントした。