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VRで人材領域が激変する!メタ×HRが描く未来とは!?#3

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ハローメタバース!

本日のテーマは、VRが人材(HR)領域をどのように変えるかです。普通に消費者として生活している分にはあまり意識することのない分野ですが、王者リクルートを筆頭に日進月歩で進化する熱い領域です。VRは、確実に人材領域を激変させます。そして、働く全ての人に大きなインパクトを与えることになるでしょう。今回は、①求人情報②採用③教育・研修④ケアと4つに分類し、未来の姿を想像してみましょう。

①求人情報「VRゴーグルでオフィスを体感」

皆さんは、今の仕事をどうやって見つけたでしょうか。知人の紹介やヘッドハンティングかもしれませんが、多くの人は何らかの「求人サイト」を検索して見つけたのではないでしょうか。今の労働市場では、新卒から中途まで、企業が求人広告を出して求職者が応募するというフローが一般的です。横綱企業のリクルートを中心に、特定領域に特化した企業が補完しているような業界構造にあります。VRが普及しても、概ねこの構造は変わらないと思われます。しかし、各社が提供する「情報の質」は大きく変化するでしょう。
求人サイトの魅力は「求人数」と「情報の質」の積で表すことができます。多くの求人が載っていて、なおかつ知りたい情報が豊富に揃っているのが良いサイトと言えるでしょう。VRを用いれば、後者の「情報の質」を大幅に向上させることができます。

既存の求人サイトは、写真とテキストベースで構成されています。オフィスの概観があり、社員が数名載っているのが普通でしょう。これを私たちは当然とみなしていますが、よくよく考えてみると、これは不十分ではないでしょうか。VR技術を用いれば、オフィスや工場の様子を再現し、よりリッチな情報を求職者に提供することが可能です。採用活動は競争ですから、他社の情報が充実すれば、負けじと各社もそれに倣うでしょう。そこにチャンスが生まれ、「リクルート360°」というような、情報の質の高さを売りにした求人サイトが生まれるのではないでしょうか。こういったページを作成するための編集や撮影の仕事も生まれるでしょう。

②採用「面接へはアバターでお越しください」

採用活動の在り方も、大きく様変わりするでしょう。コロナ前は、オンラインで面接なんてあり得ませんでしたが、今ではむしろポピュラーになっています。最終面接まで全てオンラインだったということも珍しくありません。いざやってみると、「交通費がかからない」「威圧感がない」「現場社員の時間を取らない」等、双方にとってポジティブな面もあるようです。
今後、VRのコミュニケーションツールを使って面接を行うことが増えるのは疑いようがありません。ただ、どんなツールも一長一短ですので、全てがVRに置き換わるというわけではなく、各ツールの良いところどりをするバランスに落ち着いていくと思われます。

では、VRが強みを発揮するのは、どのようなシーンでしょうか。一つには、グループディスカッションのように複数人で議論をするような場が挙げられます。VR空間は、ZOOM等の平面的なツールに比べて、圧倒的に「同じ場所にいる感覚」を味わうことができます。これによって議論は活性化し、より自然な形で求職者の能力を評価することが出来るでしょう。これは体験してみないと分からないのですが、バーチャル空間で同じホワイトボードに書きながら議論をするのなんて感動ものです。

次に、「外見的バイアスを除ける」のもVRの持ち味です。具体的には、アバターの姿で面接をすることが増えると思います。「ルッキズム」という言葉が示すように、人を外見で判断することの是非が大きな議論を巻き起こしています。良し悪しはさておき、採用の現場で外見が大きな影響を与えているのが実情です。アバターを用いれば、この外見的バイアスを取り払うことができ、よりフェアに求職者の人となりを判断できるのではないでしょうか。

実は既に、学歴や性別をあえて伏せる採用方法が普及しつつあります。その流れで、外見を伏せる「アバター面接」が広まることは十分あり得る話です。今後、全ての業務がメタバースで完結する仕事も増えるので、なおさらそれで十分なのです。

ただし、アバターだからといって外見的影響がゼロになるわけでもありません。「どのようなアバターが好印象を与えるか」という新たなマニュアルのようなものが誕生するでしょう。「〇〇先輩は、ゴジラのアバターで電通に受かったらしい」といった武勇伝が語られる日も近い(?)

③教育・研修「VRバイマニュアルが普通になる」

人材の教育・研修も可能性に満ちています。結局、全部満ちているんです(笑)VRの持ち味は、「リアリティ」と「空間共有」です。このどちらも、教育と相性抜群です。
大人の動画が話題になっているように、VRは「まるでその場にいるような」リアリティを演出できます。その特徴を生かして、パイロットの操縦や医者の手術など、現実では簡単に出来ないことをバーチャルで訓練する試みは既に始まっています。これは何も特殊な仕事に限りません。コンビニのレジ打ちなど身近な業務にも応用できます。「習うより慣れろ」ということわざの通り、座学よりも高い学習効果をもたらすことが期待できます。

現場で実際にやって学ぶことを「OJT(On the Job Training)」と言いますが、VR上で学ぶ「OVT(On the VR Training)」が広まるでしょう。「アルバイト初日までに、訓練プログラムを家で受講しておいてください」というのが当然になるかもしれません。

そして、もう一つ「空間共有」というのも大きな強みです。人間は社会的な動物ですから、「集まる」ことが重要です。一人でするよりも、誰かと一緒の方が集中力が高まりますし、ディスカッションをすればアイデアも生まれます。ただ、広い研修施設を借りて、全国から社員を集めることには、バカにならいコストがかかっていました。メタバース上で集合研修をすれば、コストはぐっと抑えられます。自動翻訳技術も相当なレベルまで上がっているため、言語の異なる人同士が集まって研修をすることも増えるでしょう。

今の若者が、かつての「社員旅行」をにわかに信じられないように、未来の若者にとって「リアルな集合研修」なんて、とんでもなくバブリーで時代遅れに感じるのかもしれません。

④ケア「VRメンタルケアが心を癒す」

過労死やメンタルヘルスの不調は、今の労働環境で深刻な問題となっています。VRには、この問題への貢献が期待できます。例えば、産業医やカウンセラーと「メタ診療所」で会話をしたり、何らかの「癒し空間」をVR上で体験こともできるでしょう。リアルの代替という域を超えて、リアル以上にメンタルの向上が認められるかもしれません。なぜならば、身体性から解き放たれ、精神世界で自由になることができるからです。
私たちは生まれてから一度も、「自分の身体性」から解放されたことがありません。常に体の一部が視界に入りますし、目に映る光景も物理法則に依存しています。唯一身体性から解放され得る方法は、目を閉じることですが、よほどの達人でない限り、そこにあるのは暗闇だけです。
しかしVR空間であれば、目を開けたままにして外界を完全に遮断し、身体性を捨てた自由な精神としてメタバースを飛び回ることができます。これはまさに「無我の境地」です。それを「現実逃避」と切り捨てることは容易いですが、現実に苦しむ人にとってのオアシスとなる可能性があるのであれば、そう簡単に断じることはできないのではないでしょうか。

以上、今回はVRが人材領域に与える影響について考察しました。もとより、VRは人の認知に訴えるものですから、人を扱う「人材」領域とは非常に相性が良いと思われます。「人口減少」「リモートワーク」「ジョブ型雇用」等など、そもそも変化の激しい分野ですから、そこにVRが混ざって凄まじい変化が起こる可能性が大きいです。ますます目が離せません。

では、メタバースで会いましょう!

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