秋のプレイリスト1 Flashback/嵐
"どしゃ降りの雨も降らずに
薄い水色の空あの日
駅前あの小さな店で
終わりにした
冷めていく紅茶の中に
浮かび上がる窓の景色は
思い出くらい 甘く苦くて
切ないほど燃えていた"
ゆったりとしたテンポと、柔らかいメロディーからはじまるイントロが夏の終わりと秋の始まりを同時に感じさせる曲だ。
先に引用したのは2番のAメロ。
私はいつもこの歌詞を聴きながら泣きそうになってしまう。いっそのこと土砂降りの雨が降って仕舞えば不幸になりきれるのに。大体「こんな日に限って」が人生にはつきものだ。水色の空と、窓の景色を映す赤い(燃える=赤と解釈している)紅茶。冷めていく紅茶と、燃える景色。二つの物が相反しているところが、美しく、そして儚い。2人の気持ちの対峙を表しているのか。この歌詞を聴くと、この情景が映画のように浮かんできて、甘くて、苦くて、切ない気持ちになる。
"通り過ぎてく 季節が君を
遠くへ連れて行くよ
通り過ぎてく 季節に僕は
何を見つけるのだろう"
君が足りない季節に、僕が何を見つけるのか。まだ君への気持ちはあるけれど、何かを見つける自分を予見している。足りないものを補う訳ではなく、君がいなくなったからこそ見つけられる新しいものもある。そんな、少しの希望を感じさせてくれる。
秋の昼にぶら下がって、読書でもしながらこの歌を聴きたい。この歌が流れてきたら一度本を閉じて、窓から空を覗きたい。