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なぜ国際協力? 大事にしていることは?


1. 国際協力のきっかけ

「なぜ国際協力の道に?」

自分自身も今でも鮮明に覚えているのが、小学生の時にアフリカの飢餓についてテレビで見た時です。
飢餓状態で痩せこけた状態の自分と同じくらいの子どもを見てとてもショックでした。

僕は今まで衣食住困ったことがなく、
食べ物がなくて困るなんてことは考えたこともなく、周りにそういった人もいなかったため、世界には様々な問題があることを初めて知った時でした。

それから月日が経ち、アメリカに留学していましたが、
テレビで見たアフリカの子どもたちのために何かできることはないか。
いつか、国際協力を仕事として、貧困に苦しんでいる人たちを助けたいという思いが常に頭の中にあったのです。

2. 国際協力に飛び込んだ29歳の夏

実は、高校を卒業後にアメリカ留学した理由は
「アメリカで警察官になりたい!」という夢があったからです。
結論、アメリカ人じゃないと警察官=公務員にはなれず、断念し帰国。

帰国後は日本で警察官になろうと、仕事をしながら公務員試験を受けていました。

帰国当初は、アメリカで犯罪学を学び、警察でインターンをするなどの経歴もあったため、すぐに合格するだろうという安易な思いとは裏腹に、何度 受けても不合格の通知しか送られてこない状況が数年続きました。

受験資格の年齢制限があり、警察試験が受けられる回数があと1回と迫った29歳の夏。

「自分は何がしたいんだろう」と自問自答した時にでてきたのが
小さい頃から抱いていたアフリカの貧困問題のために働きたいという思いでした。

それから、インターネットで検索すると名古屋NGOセンター主催の通称"Nたま"研修を見つけ参加することを決めました。

3. 研修で見つけた2つの軸

半年間の研修では、座学だけでなく多くの団体や職員との交流を通じ、さまざまな経験や考え方を学ぶことができました。

また、国内外での支援現場の研修も貴重な経験となりました。
この研修を通して得た2つの軸は、今も変わらず大切にしています。

1つ目は、メタファシリテーションという対話術です。

海外研修では認定NPO法人ムラのミライ(当時はソムニード)がインドで行なっていた事業地にて、講師の中田豊一さんから事業のこと、そしてメタファシリテーションについて学びました。

研修中、メタファシリテーションを知れば知るほど目から鱗状態で、「困っている人助けたい」という前のめりな状態から、自分が「問題である」と思っていることって、当事者にとって本当に問題なのか? 思い込みありきの支援では自己満足で終わってしまうのでは?という気持ちから、この手法をなんとか取得したいという思いになったのです。

メタファシリテーションとは
ファシリテーターが当事者に事実だけを質問することで、当事者が自分の状態を正確に理解し、自らの経験から課題解決のヒントを得る手法です。また、この手法により、ファシリテーターは自分が何を質問しているのかを正確に認識し、ファシリテーションの客観性と効果的なコミュニケーションが確保されます。

ムラのミライHP


事業地の村


2つ目は軸はファンドレイジング
です。

Nたま研修では、希望者はインターンをすることができ、僕は認定NPO法人ホープ・インターナショナル開発機構(以下ホープ)でインターンをすることになりました。

インターン初日は忘れもしないザ・リッツ・カールトン大阪でのチャリティーディナー。

自分が想像していたNGOの地道な仕事とはかなり離れていて、華やか、かつ非日常感のイベントは、多くの人が楽しみながら、オークションや寄付などを行い何百万円という支援金が集まったのには驚きました。

寄付とかってもっとシリアスなイメージだったので、華やかで楽しみながらチャリティーに関わるイベントは自らのイメージを覆したし、こういうやり方は素敵だなと純粋に思ったのは今でも覚えています。

支援事業を継続するには、組織の継続も必要不可欠であり、非営利組織であっても資金集めは重要な課題であることをインターンを通して認識しました。

その頃、ようやく「ファンドレイジング」という名前が一般化しつつあるときで、ファンドレイジングを極めたいという思いがでてきたのはこの頃でした。

4. 大事にしていること

支援をするという文脈においては、以下の2つ仕事に携わっている。

・海外での支援事業
・伴走支援者として組織への支援

共通して大事にしていることは、課題をこちらの憶測で決めつけるのではなく、まず話を聞くこと。

話を聞くことに関しては別でnoteを書く予定だけど
「自らの思い込みを払拭し、客観的に相手の抱えている課題の要素や文脈を事実で聞く」
ということ。

また、相手やコミュニティが出来ている経験や、持っている資源を引き出し、当事者と課題の認識をすり合わせることです。

事実ベースの対話によってしっかり相手の話を聞くこと。そして「ないこと」よりも「あるもの」を見つけることを大事にしています。

海外での教育支援プロジェクトとして例を挙げてみると、

思い込みのアプローチ
「この地域では子どもたちが学校に行けない」とい問題を知り、「なぜですか?」と住民に聞いたところ、「筆記用具や制服が買えないからだ」という声を多く聞いたことで、物資を大量に提供するプロジェクトを実施。しかし、実際には、筆記用具や制服を持っていても、学校に通っていない子どもが多く、根本的な問題が解決されていないことが判明。

ファクトベースのアプローチ
「この地域では子どもたちが学校に行けない」という声を聞いた後、その原因を詳しく知るためにファクトベースの対話を重ねた。過去の状況や現地の実情を詳しく聞いた結果、問題は物資の不足ではなく、通学距離が長すぎたり、家庭の手伝いが優先されていたりすることが判明。これに基づき、通学支援や親の啓発活動を行うことで、実際に住民が必要と認識した効果的な支援を提供できた。

特に途上国では、支援慣れしていることもあり、「なぜ?」などの忖度させるような質問は禁物です。

こちらは困っている課題を解決するために支援をしたい。しかし、「あなたたちの問題は何ですか?」「何か困っていることはありませんか?」と聞いてしまうと、あちらは「何が欲しいのか?」という解釈のずれが出てしまうことがあります。

よって、「お金がない」「教育がない」「資源がない」などの、ない物にフォーカスしないようにしています。そこにあるものにフォーカスし、それをもとに何ができるかを一緒に考えていくことが重要であると思います。

特に、海外で事業を行う場合は、支援依存に陥らないようにし、こちらの思い込みを押し付けることなく、本当に必要な支援は何かを常に意識したアプローチを心がけたいと常に考えています。

5. 現在のお仕事

ホープでは、インターンから始めて13年目になります。(2024年8月時点)
今でもファンドレイジングマネージャーとして、国内のファンドレイジング事業に携わり、東海・関西地域で活動をしています。

また、2020年から個人事業主として屋号をmetaLinkとして活動を開始。
以下の仕事に関わらせてもらっています。

  • 事業やファンドレイジングに関する伴走支援

  • ウェブマーケティング

  • 記事執筆

  • 大学での非常勤講師

  • JICAやNGO向けの研修講師やファシリテーター

  • 企業の外部1on1ミーティング

今後は、自分自身もファクトに基づいた事業形成を行い、将来的にはそれを他の地域やプロジェクトにも横展開できるようにしていきたいと考えているところです。

みなさん、一緒にできることがあればアイディアベースで良いので声かけてくださいね!


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