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2025年を創刊します。橘川幸夫・年賀状

本年もよろしくお願いしました。
イコール編集塾の開始。
一緒に「イコール」を作りましょう。

 橘川幸夫は2024年1月にコミュニティ生成型雑誌「イコール」を創刊しました。創刊の動機の一つは「近代・戦後に築き上げた出版構造が崩壊している」という危機感であり、もう一つは「近代のメディア構造とは異質な新しいムーブメントが始まっている」というワクワクの予感からです。

 出版構造の崩壊は、出版だけではなく、「大量生産・大量消費・大量破棄」の物質的拡大志向の崩壊であり、出版だけに限った現象ではないと思いますが、近代ビジネスの崩壊の巻き添えを食らって、本来継続しなければならない歴史的な出版文化までも崩壊しては困るので、新しい模索を開始することにした。

 新しい時代へのワクワク感は、若い世代(特に30歳前後のデジタルネイティブの連中の動きに触発されています。2025年に30歳になる世代が生まれたのは1995年てぜあり、まさに「生まれた時からインターネットがあった世代」であり、インターネットの発展とともに成長してきた世代である)

 M1グランプリの2023年、2024年と連覇した令和ロマンはテレビに積極的に出ないことで有名だが、高比良くるまは「天下を取るためには、天下を作ってしまえばよいのだ」と発言した。テレビが目標ではなく、自分の世界を作るための手段にすぎない芸人が現れたのだ。

 今、メディア・タレントの中で一番ラジカルで急成長していると思われる21歳の福留光帆はAKB48ではスピーカーの裏にいるようなメンバーだったが、佐久間宣行のYouTubeで発見され、ものすごい勢いで自分のキャラを開花させた。

 紅白歌合戦に初登場したCreepy NatsのR指定を育てたのは梅田サイファー。大阪の梅田の歩道橋の上でラップを歌い合うムーブメントがはじまり、モバゲーなどで知った若者が続々と集まり、詩と音楽を磨き上げた。梅田サイファーはグループとしてのヒエラルキーはなく個人の集合体である。

 藤井風にしてもAdoにしても、今や世界で大活躍している日本ミュージシャンは、大手レコード会社やマスメディアが育てたのではなく、個人が技術を磨きセルフプロデュースをして世界に広がっていったのだ。

 テレビを代表とするマスメディアの役割が死滅しつつある。

 テレビが代表するマスメディアの時代は、例えば、テレビに出るためにはオーディションを受ける必要があった。スター誕生すらAKBまで、さまざまな新人発掘システムが生まれた。しかし、そのオーディションの審査員は誰かと言うと、既存のメディアの権力者である。つまり、既存のメディアの許容範囲でしか「新人」の魅力を判断できないのだ。そのためテレビに出たい無名の新人たちは、既存の価値観に合わせて訓練する。

 ところがインターネット・ネイティブの世代にとって、自分のやりたいことをまず自分でやってみて、SNSの口コミで評価が集まってくるのである。新人をデビューさせるために莫大な費用をかけたキャンペーンをやる必要がない。

 現在の人気YouTuberの大半は20代から30代である。彼らは、資本を投下したわけではなく、やりたいことをやって人気になった者だけが勝ち残る健全な競争社会である。一部の権力者がメディアを支配する時代を超えて、参加型社会に一歩進んだのだと思う。

 文学の世界もそうである。職業小説家になるためには、文学賞が登竜門になっている。その審査員は、既存の小説家たちである。コミケや文学フリマなどの隆盛や、Amazonのオンデマンド出版システムが完成している中で、「もうひとつの出版世界」をイメージする必要があるのだ。

「イコール」は、インターネット以後の出版を模索していく。多くの方法論をインターネットのあり方に学んでいる。それは私が20年前に言った「インターネットモデル・ビジネス」の実践である。

だいたいの方法論は整理出来ので、あと実践するだけだ。

 深呼吸学部の次のメディア教育方式として、「イコール編集塾」を開始します。具体的に橘川幸夫編集の「イコール」の編集アシスタントとして参加してもらいながら、メディアの現場を学んでもらいます。一緒に「イコール」を作りましょう。

参加費は月額1000円、以下のオンラインサロンに登録してください。
https://yoor.jp/door/metakit

詳細は、参加者が集まり次第、説明会を行います。

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