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最近調べていることのまとめ,2024年11月29日


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注意

 これらの物語の重要な展開を明かします。

漫画

『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』
『銀魂』
『クレヨンしんちゃん』
『新クレヨンしんちゃん』
『キミのお金はどこに消えるのか』
『キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編』
『がんばってるのになぜ僕らは豊かになれないのか』
『逆資本論』
『日本経済を解説するヤンキー』

小説

『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』(Web原作,書籍)
『ショグゴス』(小林泰三)
『C市』(小林泰三)

アニメ映画

『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦〜とべとべ手巻き寿司〜』

最後通牒ゲームとマルクス経済学とケインズ経済学について

2024年11月29日閲覧

 経済学について、幾つか調べていることをまとめます。
 以前マルクス経済学の間違いを、ゲーム理論の内的価値を踏まえて扱いました。
 マルクス経済学では等価交換として、同じ客観的な価値のある商品を交換するのを繰り返すのが経済の基本だとされました。しかしこれは現代の経済学では否定されるようです。
 たとえば、人物Pが持っている商品Aに1000円の価値があるとみなすときに、それを超える金額でなら売りたいと思うでしょう。また、人物QがAに1200円の価値があるとみなすならば、それ未満の金額でなら買いたいと思うでしょう。その間の金額ならば双方が得をして、両者にとっての値段、内的価値の差異だけ、合計200円得をするわけです。つまり商品の交換はむしろ、内的価値、主観的な価値の違いから生まれ、そこから双方が利益を得るプラスサムゲームなのです。
 しかし、「価値の源は価値観の違い」だとしてマルクス経済学の間違いを指摘しつつ、ゲーム理論なども扱う井上純一さんは、「無理な値引きを要求する客がいれば取引が成立しないように、商売とは双方が得をするためのプラスサムゲーム」だと説明していますが、積極財政などの主張では一致するmihanaさんは、マルクスの「搾取」という表現を使っています。消費税を誰が負担するのかなどが、立場の弱い人間に押し付けられる押し合いのように説明しています。
 これはおそらく、内的価値の違いから生まれる利益を双方が分け合うので、交換しないよりした方が良いという意味で井上さんはプラスサム、一定の利益を綱引きのように奪い合い、立場の弱い方がプラスでもわずかな利益しか得られないが、交換しないよりはましなので我慢しているという意味で、mihanaさんはゼロサムと解釈しているとみられます。
 今回は、これに行動経済学とケインズ経済学の考えも加えてみます。
 ゲーム理論は、従来の需要と供給の経済理論と同じ結論が出ることもありますが、各々の選択の組み合わせから、利益を最大にするような選択を考える「合理的な」経済主体を想定します。「みなが自分の利益を最大にするだろうから、自分はこのように利益を最大にしよう」と考えるものです。その結果としてかえって各々の利益が減る囚人のジレンマなどもあります。
 一方井上純一さんもゲーム理論とは別に取り上げた行動経済学は、古い方法で利益が少ないのを分かっていながら変えるのを恐れる現状維持バイアスなどの、自分の利益を最大にするとは限らない非合理的な心理を扱うものです。
 ゲーム理論に行動経済学を組み込んだ行動ゲーム理論の中で有名なのが、最後通牒ゲームです。
 これは、自分がわずかな利益を、相手が莫大な利益を得るのと、どちらも一切得られない状態のどちらを選ぶかの心理を扱うもので、合理的な経済主体、いわゆるホモ・エコノミクスならばわずかでも自分の利益が大きい方を選ぶはずが、実際に実験すると、民族などの差異はあっても、多くの人間が後者を選ぶそうです。
 ゲーム理論の囚人のジレンマと異なり、この最後通牒ゲームの理論には、学生が納得しないことがあるそうです。
 これはマルクス経済学の「搾取」の論理にも繋がるかもしれません。
 つまり、交換することで内的価値の違いから生まれる一定の利益を、どちらかに圧倒的に有利な値段、たとえば先ほどのときに1001円で取引するならば、1円しか得られない売り手は、合理的ならばわずかでも利益があるのだから交換した方がましとみなすはずが、最後通牒ゲームの論理で、「1対999で利益を取られるならば、両方0の方が良い」と考えて交換を断ってしまうのかもしれません。それが「搾取」の論理の根源かもしれませんし、mihanaさんもそうみなしているかもしれません。
 まだ私の調べる限り、最後通牒ゲームと内的価値の関係は見つかりませんが、関連性は考えられます。
 さらに、ケインズ経済学では、需要と供給を表す曲線において、古典派経済学では供給曲線が、生産量と賃金が共に下がるとされたのが、下げられる賃金には限りがあるとして、このような折れ線を想定していました。この結果、古典派経済学では「いない」とされた「非自発的失業者」もいると想定されました。


 これも、あまりに少ない賃金と労働の交換では、交換しないよりした方がましではあるとしても、最後通牒ゲームの「非合理的」な心理で、「ここまで自分の利益が少ないなら両方0の方がまし」とみなして失業してしまうのかもしれません。
 井上さんの経済漫画では、「売り手と買い手では、お金を払う買い手の方が有利に見えて、場数を踏んだ売り手の方が有利である」とありました。労働者と経営者ではどうか分かりませんが。
 マルクス経済学とケインズ経済学の双方を、比較的新しい経済理論のゲーム理論と行動経済学の組み合わせで考えました。

ワンオペ労働についての調査

 近年「ワンオペ労働」について調べています。
 新聞記事では、「ワンオペ労働」による過労死なども扱われるものの、「ワンオペの方が他の従業員の目がなくて良い」という趣旨の声を扱うものもありました。
 その辺りから、私なりに「ワンオペ」の理論を突き詰めてみます。

「弱きを助け強きをくじく」の逆の定義

 『クレヨンしんちゃん』劇場版『とべとべ手巻き寿司』で、ひろしの「がんばれ」という言葉には様々な賛否があるようですが、1つの理由が「弱者を努力不足扱いした」ことでしょう。
 これまでの劇場版でひろしの行動には、「弱きを助け強きをくじく」の主張はあったはずでしたから。
 しかし一方で、ならば今回のひろしの主張が「弱きをくじき強きを助ける」だったかと言われますと、後者は微妙ではあります。
 「弱者」であり、強盗の疑いをかけられ、立てこもりは実際にした充を警察に引き渡したわけではないので、「強者」の警察に屈した、助けたとも言い切れません。強いて言えば「強きに黙る」というところでしょう。
 『銀魂』原作で、幕府に逆らう攘夷志士の桂が、「悪代官」を「弱きをくじき強きにこびへつらう」と表現しましたが、桂達を捕らえようとしたこと以外に「弱きをくじく」様子は具体的にはなく、そもそも桂も危険とみなされるところはありました。また、重要なこととして、この「悪代官」が具体的にどのような強者にこびへつらったかの描写もありません。
 「弱きをくじき強きを助ける」と言わなかったのは、強者の中には自分より弱い者の助けなどそもそも要らない、あるいは助けられること自体を不快に思い逆恨みする恐れもあると桂が考えて、理想を1つずつ反転したのが悪人のすることとは限らないとみなしたのかもしれません。
 『クレヨンしんちゃん』シリーズで言えば、「強い方に味方する」裏切りをすることもあるぶりぶりざえもんも、その「強い方」に不快がられるときがありました。
 『とべとべ手巻き寿司』のひろしの行動も、警察に関わらないことで「強きを助ける」ことすらしないのは、より「面倒ごとを避けた」ところが考えられます。

『ギフト無限ガチャ』と『C市』の「作った側の方が優れているか」の問題

 『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』(以下『ギフト無限ガチャ』)と小林泰三さんの『C市』の関連を扱いましたが、『C市』では、人間が生み出した兵器が人間を超えるという論理について、「創造者が被造物に優るという考えに根拠はないそうだ。分子の集まりから生物が生まれているように」と扱われています。
 『ギフト無限ガチャ』のライトの召喚したエリーが、自分よりライトの頭脳が優れていると言って譲らず、「僕は貧農の息子なのに」とライトに思われているのを連想します。
 小林泰三さんの『ショグゴス』のロボットにも通じます。
 しかし、『ギフト無限ガチャ』で、ライトの召喚したカードのうち、エリーにライバル扱いされるメイは、ライトに教育をするときに、おそらく自分よりライトの知識が劣ることを認識していたとみられます。
 いずれ『ギフト無限ガチャ』でも、ライト達が「作られた」存在である可能性も指摘されそうですし。
 「C」に対抗するための兵器自体が暴走してCになったという『C市』の結末は、『ギフト無限ガチャ』にも通じそうです。

参考にした物語

漫画

作画/大前貴史,原作/明鏡シスイ,キャラクター原案/tef,2021-(未完),『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,講談社
空知英秋,2004-2019(発行期間),『銀魂』,集英社(出版社)
臼井儀人,1992-2010(発行期間),『クレヨンしんちゃん』,双葉社(出版社)
臼井儀人&UYスタジオ,2012-(発行期間,未完),『新クレヨンしんちゃん』,双葉社(出版社)
井上純一/著,飯田泰之/監修,2018,『キミのお金はどこに消えるのか』,KADOKAWA
井上純一/著,アル・シャード/企画協力,2019,『キミのお金はどこに消えるのか 令和サバイバル編』,KADOKAWA
井上純一(著),アル・シャード(監修),2021,『がんばってるのになぜ僕らは豊かになれないのか』,KADOKAWA
井上純一,2023,『逆資本論』,星海社

小説

明鏡シスイ,『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,小説家になろう(掲載サイト)
https://ncode.syosetu.com/n9584gd/
2024年11月29日閲覧

明鏡シスイ,tef,2021-(未完),『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』,ホビージャパン
小林泰三,2014,『百舌鳥魔先生のアトリエ』,角川ホラー文庫(『ショグゴス』)
小林泰三,2018,『C市からの呼び声』,創土社(『C市』)

アニメ映画

大根仁(監督・脚本),2023,『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦〜とべとべ手巻き寿司〜』,東宝

参考文献

朝日新聞2021年3月28日朝刊p.4「働くってなんですか 私たちにチカラを④ 交渉力上げ よい職場選びを」

小島寛之,2012,『ゼロからわかる経済学の思考法』,講談社
小林佳世子,2021,『最後通牒ゲームの謎 進化心理学からみた行動ゲーム理論入門』,日本評論社


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