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わたしの中の教訓

生きていると、こちらにその気がなくても、ふいに、宣戦布告されることがある。

中学に入ったばかりのころ、掃除の時間にベランダで数名がたむろしていた。
わたしは、ベランダ担当だった。
「これじゃ、掃除ができないじゃないか!」と思ったわたしは「ちょっとどいてー」と言いながら、数名のうちの一人をほうきでつついた。
(いま考えても、ほうきでつつくなんて絶対に駄目)。

つついた相手は魔神ブーに似ていた。(失礼!)

後日、友人からわたしが魔神ブーにしめられることになっていると聞いた。
わたしはぎょっとした!
え?なに?わたし、魔神ブーと戦わなきゃいけないの?
元気玉、使えないし。
完全な負け戦になってしまう。

困ったな、
頭を抱えた。

わたしの様子を見かねた友人が言った。
「オレが話してみるから、とにかく何もせず、じっとしてて」

「わかった。何もしません。というか、しようがありません」
わたしはビクビクしながら、ひっそりと息を殺して中学校に通い続けた。

ほどなくして、友人が魔神ブーに話をつけてくれ、魔神ブー戦は取りやめとなった。
どんな技を使ったのかはわからないが、
友人様様である。


後でわかったことだが、魔神ブーは俗に言う、不良のひとりだったらしい。
ボッコボコのバッキバキみたいなことが、まかり通っていた時代。
わたしに喧嘩を売られたと思った魔神ブーは、かなりお怒りだったらしく、わたしをどう痛めつけるか、考えを巡らせていたらしい。

今考えても末恐ろしい。
あのとき、もし戦いの火蓋が切られていたら、わたしはこの世にいなかったかもしれないのだ。(少なくとも大怪我していたはず。怖っ)
友人に、改めて感謝。🙏

ただ未だ、不安が拭えないでもいる。
また、いつ、ふいに、戦いの火の手が上がるかわからないからだ。
こういう戦いって、口をぽかんと開けているときを狙われる気がする。
たいてい口ぽかんのわたしは、どうしたらいいのだろうか。

だからまずは、元気玉を会得するために、界王様へ弟子入りし、そのためには一回死んで、蛇の道を…。あれ、これでいんだっけ?

だめだ、先が思いやられる。
そもそも、わたしは一度だって死にたくない。痛そう。
無理。
蛇の道をひたすら走る気力だってない。
テッシュ一枚取るために動くのが面倒なわたしには、蛇の道はどう考えても無理。
がんばれない。

そのときが来たら、直ちに降参する方がじぶんのためかもしれない。
そう、負け戦だとわかっている戦は、戦わない。
速攻逃げるか、逃げ損ねたら直ちに降参。

わたしの人生、そんな感じでやっていこうと思う。



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