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イノシシとの遭遇

今朝(2025年1月25日)7時半に、いつもより一時間ほど遅く、愛犬コロの散歩に参りました。
曇天の土曜日で、割と風が強く、通りには人がおりません。庭先でガーデニングをしているご近所さんも見かけませんでした。

以前、「捨て猫記」で触れた例の公園に入って、はしゃぐコロに
「走らないで~もっとゆっくり~」
「朝から機嫌いいね~。やっぱりお前は天使~」
 などと腑抜けた声をかけて、東屋がある人工の丘のふもとへ出ました。

 尾籠なハナシで恐縮ですが……公園の出口近くでコロはおしりから落とし物。
おなかスッキリをことほぐように、後ろ足で地面を「バババババ!」と蹴りつけます。
蹴飛ばす土くれをさけて、「落とし物を拾う」という飼い主の証明たる偉大な(?)行為に出ようと、ビニール袋を取り出しました。


コロは動きをぴたりと止め、出口とは反対方向の階段をながめています。

かつて、子猫が捨てられていた荒地へと続く、幅が広い下りで5、6段ほどの階段です。

視線をたどってそちらを見ると、コロより一回り体格のいい黒々とした獣の姿が!
しかも、弱い逆光を受けているためか、威圧感さえあります。
その獣がじっとこちらをながめています。
コロとの距離、およそ20メートルはあるでしょうか?


げ! イノシシ……!

こちらはイメージです



数週間前、散歩中に行き会った初老の男性から
「子連れのイノシシを見かけたよ。このへん気を付けないとね」
「犬を連れていると、かえって危険らしいよ」
などと恐怖感をあおる、ありがたいご忠告をいただいていたのです。

そう、犬が吠えたために、逆上したイノシシが文字通り猪突猛進! というケースは多々あること。

かといって、コロの「落とし物」を拾わずに脱兎のごとく逃げたとしても、あとで拾いに戻るのも面倒だし……。

イノシシに背を向ける姿勢で、それをビニールに収めました。
ほんの数秒のことですが、頭の中では
「コロの落とし物をつかんだまま、背後からイノシシの蹄チョップを食らう自分の姿」
「コロが野生動物から頭突きを受け、悲鳴を上げる声」
「あるいはリードで飼い主を引っ張って狂乱のダッシュをするコロ」
「イノシシが人を襲い、はらわたを食らったというハナシもあったな……」
……といった、さまざまな状況と情報が走馬灯のように走ったのです。


 振り返ると、イノシシは体を反転させて、階段を降りて荒地へと戻っていくところでした。

 その間、コロは一言も吠えません。

 愛犬とはいえ、郵便配達のバイクや散歩の人、犬などを遠くから察知すると、その場で「待ち伏せ」するタイプで、5メートルほど近づかないと吠えないところがあるのです。
今回もその性癖がでたのかもしれません。
あ、何もないのに無駄吠えはありますが……💦


それでも、公園から出て帰宅するまで、気が変ったイノシシが追ってくるのではないか? と背後を気にしながらの散歩となりました。💦

たかがイノシシでしょ? と笑われるかもしれませんが、実物といきなり遭遇したときは「恐怖」しかありませんでした。

一応、イノシシ遭遇にそなえて、防犯ベルをポケットに入れて散歩しているのですが……ああいう警報を鳴らした場合、むしろ逆上して襲って来る可能性もありますし……どうしたものでしょう?

これが熊だったら?
などと考えこんでしまいます。

あの公園は赤ちゃん連れでくつろぐ若いお母さんたちや、小学生が遊びに来るし、お年寄りがベンチでおしゃべりする、とても身近な場所。
草地のあちこちを荒らすのはきっとイノシシだろうと誰もが言っていたので、いつか顔を合わせるかも……と想像していたのですが……(^▽^;)

かといって、大きな被害があるわけではないので、殺処分してほしいわけではありません。

ちなみに、少し以前に、江戸時代の「熊、狼、イノシシの被害」を調べておりました。
当時は「シシ久根」 シシガキ(猪垣 鹿垣)といった畑の囲いをし、石垣や土手を築いた上に竹矢来(竹槍を組んだもの)を設置。
落とし穴やくくり罠などを併設したそうです。
もちろん番犬も使い、「猪追小屋」という猪被害の見張り小屋もあったとか。

まあ、現代では江戸時代の農村とは比べ物にならないほどコミュニティが薄いので、個人個人で対応するしかないのでしょうね。

うーん、もしかしたら……あのイノシシは、散歩中にしきりにコロに話しかけているわたしの声が騒々しくて
「土曜日の朝っぱらから、うるさいな。どれ、アホな人間の顔でも見てやるか」
 と、わざわざ公園をのぞきに来たご近所さんにすぎないのかもしれません。(*^-^*)

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