各駅停車で北海道・小樽へ(横浜→青森) 〜 2024年・夏 青春18きっぷの旅 その4
18きっぷで北海道
18きっぷにはいくつかの規定がある。
基本的には、「JR線乗り放題で、一人で5回でも5人で1回ずつでもどうぞ」に関する色々な決まり事だ。
中でも旅程を考える上で重要なポイントは次の3つではないだろうか。
(設定区間)旅客鉄道会社線全線
(期間)乗車した列車が0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。
乗れる列車・席は普通または快速
つまり、JR線ではない路線には一部の例外やオプションを除いては乗車できない。
そして、終電であっても都心部を除いては0時を過ぎて最初に停まる駅までしか使えない、ということだ。
さらに、特急や新幹線には乗れない。
飛行機や新幹線が整備されたり、一般旅行者が気軽に使えるようになるよりも前は、北海道への旅というのは鉄道を使うのが普通だった。(らしい)
そして、JRの前身である国鉄は青森〜函館の間で「青函連絡船」を運行しており、この船には線路が搭載され、両方の港で列車の車両を積み込んで往き来していた。
鉄道会社が、鉄道そのもので海をわたる経路を運営していたということだ。
自分が旅をするようになった時点では、すでに青函連絡船はなく、飛行機が主流になっていた。
新幹線が八戸より先に開業したのはずっと後のことだ。
「上野発の夜行列車」の一つ、いわゆるブルートレインと称された寝台特急「北斗星」には何度も乗ったことがあり、食堂車「グランシャリオ」での食事を経験できたことは貴重な体験だった。
その当時は「ぐるり北海道フリーきっぷ」という神きっぷがあり、関東から北海道を往復する寝台車または新幹線と、道内5日間は特急の指定席も取り放題・乗り放題というものであった。
こんにちでは、フリー切符は条件が厳しくなり、関東と北海道の行き来は新幹線以外にあまり選択肢がない。
しかしこの夏、あえて新幹線と飛行機を使わずに小樽まで行くことにした。
休暇の都合上、帰りは飛行機(直前に予約したのでほぼ正規運賃)を使う贅沢をした。
主な旅程
自分は横浜に住んでいるので、横浜発で旅程を組んだ。
Day1
4:59 横浜 (京浜東北線) 5:49 上野
6:08 上野 (宇都宮線) 7:51 宇都宮
8:02 宇都宮 (宇都宮線) 8:58 黒磯
9:08 黒磯 (東北本線) 9:32 新白河
9:52 新白河(東北本線) 10:31 郡山
10:41 郡山 (東北本線) 11:26 福島
11:40 福島 (東北本線) 12:15 白石
12:19 白石 (東北本線) 13:08 仙台
31分の乗り継ぎ待ち
13:39 仙台 (東北本線) 14:23 小牛田
14:45 小牛田 (東北本線) 15:31 一関
15:44 一関 (東北本線) 16:22 北上
16:48 北上 (北上線) 18:03 横手
18:07 横手 (奥羽本線) 19:12 秋田
19:23 秋田 (奥羽本線) 22:18 青森
4時間10分の乗り継ぎ待ち
Day2
2:30 青森港 (津軽海峡フェリー) 6:10 函館港
6:44 七重浜 (いさりび鉄道) 6:48 五稜郭
6:48 五稜郭 (函館本線) 6:53 函館
1時間20分の乗り継ぎ待ち
8:18 函館 (函館本線) 11:09 長万部
2時間20分の乗り継ぎ待ち
13:29 長万部 (函館本線) 15:02 倶知安
15:16 倶知安 (函館本線) 16:26 小樽
見ての通り、初日はひたすら北上する。
乗り継ぎの便はよく、良すぎてしまい、食事や観光はできなかった。
上野から宇都宮まではグリーン車があるので、朝食と仮眠ができたものの、その先はグリーン車なし、輪行の集団で混み合い、さほど落ち着かない時間となった。
仙台で牛タンでも…と駅を出るも、駅中の牛タン屋はどこも長蛇の列で1時間待ち…
福島駅でベーグルを2つ買っておいたので、仙台は駅そばとベーグル、その後小腹が空いたらベーグル、と空腹を誤魔化した。
二日目は一転して時間に余裕がある、ありすぎる。
そして美味しいものが多すぎる!
青森駅の外では居酒屋で海鮮と日本酒を、函館では朝一で海鮮丼を、長万部ではカニ飯、小樽ではザンギにビールにワイン…最高だ。
2日間の移動となるので、18きっぷは2回分を消費することになる。
この夏は既に3回使ったので、これで1枚を使い切る。
1日目は正規の運賃では¥11,330円、2日目は¥5,510 であり、5回分1枚が¥12,050の18きっぷは1回換算¥2,410、2回で¥4,820ということで、3.5分の1の運賃で移動できたことになる。
(実際にはほかに、津軽海峡フェリーの運賃と、七重浜から五稜郭までのいさりび鉄道の運賃がかかっている。)
Day1の写真
東北本線は退屈だ。
なんというか単調で、そして区間が細切れで乗り換えが多い。
しかし風景の変化や、幾つもの川を越える鉄橋の趣など、楽しみもある。
薄曇りで、たまに雨も。
どんより空の下、米が実っていた。
北上線に乗り換えると、途端に旅情の味わいが増すように思う。
一つは非電化区間であり、ディーゼル気動車のエンジン音や振動を感じること、それに起伏に富んだ線形と豊かな自然、人々の生活を感じるからではないかと思う。
日が暮れつつある北上線で横手を目指す。
鉄橋の橋脚がどれも美しい石積みだ。
奥羽本線は10年以上前によく乗った。
大曲がりの花火大会、角館の桜、紅葉、雪… 十文字の三角蕎麦… 懐かしい。
日が暮れて、秋田で乗り換え大館、大鰐温泉、弘前と森を抜けていく。
そして初日は、最後のこの区間だけ快速で、
青森駅としては終電3本前、秋田からの移動としては終電で到着。
青森駅の周辺で遅い時間までやっている居酒屋はあらかじめ狙いを定めていた。
平日だったので待たずに入れた。
ホタテとマグロがとくに美味しい。
飲み比べのセットがとてもいい。
夏限定の日本酒が長旅の疲れを癒してくれる。
食後は青函連絡船「八甲田丸」を見学。
夜間で船内は見学できないけれど、線路がつながっている様子を見たり、大音量で流れる「津軽海峡冬景色」のボタンを押してみたり。
ほろ酔いでフェリーターミナルに向かう。
このころ日付が変わった。
Day2に続く…
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