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【5/19】米利上げ確実!?4月FOMC議事録公開
米連邦準備理事会(FRB)が18日に4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表しました。
議事要旨発表まで上昇していた米国株は反落、ドル.DXYは主要通貨に対して一段高となりました。
米国債の利回りは上昇し、30年債の利回りは約2週間ぶりの高い水準となりました。
いったい議事要旨には何が書かれていたのでしょう?
■FRBの米経済のとらえ方
議事要旨によると、FOMCの参加者は最近の経済指標によって、物価が目標の2%に向けて上昇しているとの自信が増したと言及しています。
一部のメンバーは4月の会合で、第1・四半期の国内総生産(GDP)は年率で0.5%増と、2年ぶりの低水準だったことから、第1・四半期に米経済が減速したことに懸念を示しています。
しかし、一方で他のメンバーは、雇用の底堅い伸びが続いていることを挙げて、経済が回復軌道を外れていないと主張し、GDPの数字が歪んでいる可能性もあるとしました。
ほとんどが労働市場の安定的な改善を指摘し、これは経済活動の基調的なペースが落ちていない可能性を示すものだとしました。
■FRBの世界経済のとらえ方
世界経済の鈍化懸念も後退しているとしています。
しかし、6月の国民投票で英国の欧州連合(EU)離脱が決まる可能性があることに加えて、中国の為替政策の動向によっても、金融市場が混乱すると不安を示す参加者もいました。
今年初めは、主に中国経済の鈍化懸念から世界的に株価が下落し、金融市場はひっ迫しました。
FRBは3月の会合で年内の利上げに関する見通しを引き下げています。
一応は世界経済の動向については楽観視しているが、それでも警戒は怠っていない、という印象です。
■利上げに対して前向き
今回の議事要旨から、世間が思っているよりFRBは利上げに対して前向きであることがわかりました。
投資家の見通しは1回にとどまっていましたが、前から掲げていた年内2回の利上げを遵守するとの見方が強まりました。
利上げ条件としては「経済指標が第2・四半期の成長加速を示し、インフレ率と雇用で前進が見られれば、6月の利上げが適切になる公算が大きい」としています。
つまり、4~6月の経済指標が好調なら確実に利上げすることが推測できます。
しかし、6月は英国EU離脱をかけた国民投票、また主要産油国による増産凍結会合が控えています。
米国経済と世界経済両方を見極めなければなりません。