欧州勢は円を買うか、ドルを買うか
為替の行方を見る上で一つ注意することが増えました。
それは欧州の投資家(欧州勢)が米ドルか円のどちらを買うか、です。
■欧州勢による米ドル買いが認められる
それはイエレン議長の講演を控えた29日。
欧州時間の序盤には一時113.73円まで上昇する場面があり
「欧州勢があらためてドル買いの流れを織り込む動きが出たようだ」(国内金融機関)との指摘が出ていました。
欧州勢がユーロを売り、米ドルを購入しているわけです。
■なぜユーロを売るのか
イングランド銀行(英中銀)金融行政委員会(FPC)は29日、欧州連合(EU)残留か離脱かを問う英国民投票に伴うリスクが、借り入れコストを押し上げ、ポンド下落につながる可能性がある、と指摘しました。
FPCは、6月23日に予定される「国民投票により国内のリスクが高まり、英国の金融の安定に関する見通しは悪化した」と分析しました。
金融大国である英国の金融の不安定化は欧州全体に波及します。
当時はドイツ銀が問題でありましたが、年初にも勃発した欧州の金融システム不安が再燃する可能性が出てきました。
そんなわけでユーロを売り、米ドルまたは円を買うわけです。
■米ドルか円か
リスクオフのときは安全資産とされる円が積極的に買われます。
そのため、金融不安が再燃したら真っ先に買われるのは円になります。
反対にリスクオフ時には米ドルが買われるでしょう。
米国は年2回の利上げを予定しており、通貨を買うとすれば米ドルが良いことになります。
予定通り利上げされるには
①米国の堅調な労働市場
②世界景気の安定
の2点を満たしている必要があります。
①の堅調な労働市場については本日、米雇用統計が発表されます。
雇用統計が良い内容であれば利上げに一歩近づき、米ドルが買われるでしょう。
本日の米雇用統計は要チェックです。
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