#文学フリマで買った本
少し長い感想を書きます。
きっかけはこのnote
真崎さんの新刊が売れてないってさ!!!!
いや、そういう晒上げのイジメをしたい訳ではなくてですね。
今回の真崎さんの新刊。
『こんにちは!となりの黒い芝です』は本当にいいんですよ。
中身を要約すると、隣の芝は青く見える。
青く見える故に嫉妬する。けれど真崎さんは、隣の黒い芝で、全然羨ましくない。相対的に比較して自分の芝が青く見える。
そういうエッセイで、前作の『あなたのキャリアはどこから?わたしはクビから』の実質続き物の作品になる。
本文中の表現を引用すれば「何処かの誰かの仄暗い希望」になる失敗談の連続だ。しかし、決して不幸自慢では終わらない。
プロのライターによる優れた技巧によるユーモアにパッケージされた文学フリマで読める一流の作品に昇華されている。
真崎さんの文章はボケの手数が多い。それこそ去年のM-1グランプリ準優勝のヤーレンズのようなボケ数の多さだ。それは真崎さんのサービス精神故に、誰もが楽しめるようなボケ倒しスタイルをとっていると思う。
しかし、真崎さんがそのボケ倒しスタイルを休めて、素の姿を見せるパートがある。それは友人に嫉妬するパートの文章だ。そこには周りに配慮しすぎたサービス精神はない。裸の真崎さんが鎮座しているような静かで整った、友人に対する気持ちが淡々と綴られている。
本書を読めばわかるが、真崎さんは自己肯定感が低い。
かなり低い。その低さゆえにボケの手数が多い様に思う。真崎さんの文章が合わないと本文であった人などは、そういった手数がノイズに映ったのかもしれない。けれど、友人に嫉妬して向き合うパートはその手数がない。
そこから私が導き出した考えは、友人と友人に対する気持ちへの自信の確かさではないか。それは手数を打つ必要がなく裸の真崎さんの文章を座らせるだけで成立するパートなのだ。
何が言いたいかというと
めっちゃエモいのよ!!!
とにかく履歴書籍が好きな人なら読んで間違いなく損はさせない一級の作品です。以上ファンレターでした!!!!
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