妊娠出来ないと言われてから考えた日本の未来について
「自然妊娠は難しいかもしれません。子供が欲しいならホルモン治療を受ける事をおすすめします。」
今年に入って2度もカンジダになり、1回目は自力で治した(病院に行く暇が無かった)が、2回目はさすがに婦人科に治療をしに行った。
そこで治療のついでにと何となく受けた子宮検査で、衝撃の事実を知る事になる。
多嚢胞性卵巣症候群。
子宮の中に卵胞が溜まり、月経不順や不妊を引き起こすものらしい。先生曰く、病気ではなくある種の体質だそうだ。コレステロール値が人よりも高く、年を重ねるごとに肥満になりやすかったり、男性ホルモンが優位でニキビが出来やすく治りにくい。女の永遠の敵みたいな症状が特徴で、厄介な事この上ない。
後天的に発症することもあれば、生まれつきの人もおり、今や女性の5人に1人は該当するらしい。
中学生の時に初めて初潮を迎えてから2年間生理が来なかった過去を持つ筆者だが、恐らく生まれつきこの体質だったのだろう。正直大人になった今は生理不順とはいえど2か月以内には毎回来るし、そこまで困ってはいなかったが、改めて「生みにくい体質」と言われると今はとても複雑だ。
筆者の旦那は一人っ子だ。なので必然的は私が産まなきゃ彼の両親は生涯孫を持つ幸せを味わえない。子供は出来ても出来なくてもどちらでも良いと旦那は言ってくれるが、やはりご両親の事を思うと人一倍周りの目を気にする筆者にとっては大きなプレッシャーとなってのしかかる。
付き合ってまだ半年も経っていない頃に、ご実家に遊びに行ったことがある。その時の熱烈な歓迎ぶりといったらすごかった。テーブルに並ぶ豪勢な食事、お酒、もう娘みたいなものだからと言ってお別れの際にブランドバックまで頂く始末。結婚を想像させるような話を適度に組み込むトーク、「2人の子供が楽しみだわ〜」そんな言葉が顔から滲み出ていた。
日本は現在出生率が戦後最も低く、今後もその数値は変わらないか下がる一方だそうだが、物価が上がっているのに給料は上がらず、年金だけでは生活出来ないからとidecoのような個人向け老後資金貯蓄までもが登場する国だ。養育費にしたって子供一人当たりに1000万以上かかると言われている。
当然一馬力の給料だけでは特に家賃も物価も高い東京では暮らしていけないので、女も働きに出るほかない。正直子供を作る余裕なんて1ミリも感じられない。
私がもしこの「体質」を持っていなかったとして、この現状下で子供を産む選択を容易に出来るだろうか。多くの自治体で独自に少子化対策を行なっているが、いつまで続くのか分からない。まさしく綱渡り状態。
環境面も不安だ。現在コロナが流行っているが、今後また新たなウイルスが沢山出てくるだろう。人間とウイルスの戦争時代の幕開けはまだ序章に過ぎない。地球温暖化にしたって、多くの問題を抱えている。増えすぎた二酸化炭素の影響で地球の気温は上昇する一方だ。最近だとヨーロッパで記録的な熱波による連日気温40度超えが続き、熱中症患者が後を絶たない事態にまで陥っている。
今まで好き勝手やってきた当然の報いかもしれないが、母なる地球からの洗礼をボディーブローのごとく受けまくっている。子が過ちを犯したら叱らない母がどこにいる。きっとこれからも私達子供は母から怒られ続けるだろう。
新しく地球にやってきた子供たちはこの悪化し続ける地球で苦しむ事が増えるのではないだろうか。そんな事を思うととてもじゃないが子供を産みたいと思えなくなる。
こんなにネガティブは事を連ねて子供いらない派閥なのかと思うだろうが、筆者は子供が大好きで出来る事なら産んでみたい。きっと私と同じように、子供が欲しいけれど様々な理由であきらめてしまっている人が日本中に沢山いるだろう。だからこそ、男女の平等が保たれ、育児も仕事も両立できる仕組みが確立されてほしいと思う。
出生率回復に成功した事例もある。例えばフランスでは、子供の数に応じて所得税が減額され、将来貰える年金が上乗せになる。子供を育てている場合は働き方や時間などは例外なく個人で自由に決定できる。その他多くのユニークな施策で見事子育ても仕事も両立できるを立証した。
日本だってきっと思い腰を上げれば出来るはずなのだ。やろうとしないだけだ。日本は男女格差が未だに取り沙汰されているが、世界はもう一歩も二歩も進んで別のステージへと足を踏み入れている。国民が強くなればきっと国自体も強くなる。だからこそ私はこの国が今後どうなっていくのかある意味とても楽しみでもあるのだ。