森、道、市場
人生で初めてのフェスに参加しました。
私は今まで、中学の時から好きだったリトグリのライブしか行ったことがなくて、そもそもバンドに興味なんてさらさらありませんでした。
音楽を愛する恋人からまんまと(ここ大事)影響を受けて、バンドなども含めて最近、色々な音楽を聴くようになりました。
また、5月からダンスのレッスンに通うようになりました。
ジャズや、フリースタイルジャズ、ジャズファンク、コンテンポラリー、などを主に教わっています。
ダンスをする上で、曲のリズム、歌手の歌い方、特徴的なメロディ、低音、歌詞などなど曲の特徴を捉えて上手く表現に生かすことはとても大切です。
これまでの私にとっての音楽は、バレエでのクラッシックか、リトグリかの2つしかなかったので、最近の変化はとても新鮮で、より身近に、かつ遠くに感じられるようになりました。
最初は冗談でさそわれて、私もいつも通り断っていた「森、道、市場」ですが、出店の多さや開催地の特色的に、最悪音楽が好きでなくても楽しめるフェスだと聞いて、いつのまにかせっせとチケット代を払っておりました。
最近良く聞いているCody・Lee(李)が出る2日目に参加しました。
1.Cody・Lee(李)
2.ROTH BART BARON
3.どんぐりず (通りすがり)
4.サニーデイ・サービス (夢うつつ)
5.藤原さくら
6.yonawo (夢うつつ)
7.ゲスの極み乙女 (通りすがり)
8.青谷明日香
9.KIRINJI
というスケジュール。
着いてすぐに、彼の知り合いが出演しているDJブースで音楽を聴きながら、DJの仕組みや音の作り方について訊きました。
2人で狭い3つ折りのレジャーシートの上に腰掛けて、ゆっくりと聴きました。
それから、お店を軽く見て周りながらステージに向かいました。
途中でバイスサワーを買って、片手にCody・Lee(李)を聴きました。
Cody・Lee(李)こんなに人いるんだ〜、有名になったね、と彼が呟いていました。
確か、「異星人と熱帯夜」ではじまって、いい〜〜となりました。
前半は冷やしネギ蕎麦とか、愛してますっ!とかの新曲が多くて、もちろんそれはそれでとてもよかったのだけれど、個人的には「I'm sweet on you」で自信の表れか、突然安定感と音圧?(よくわからないけれど)が増したような気がして、とてもよかったです。
そのあたりからお客さんの体温も上がってきたような感じでした。
必ずライブはこの曲で終わるらしいという「When I was cityboy」、本当に楽しそうに音楽をしていて、幸せそうに叫ぶ姿が印象的でした、やっぱりめちゃめちゃよかった。
それから少しお店を散策して、目星をつけたところで「ROTH BART BARON」が聴こえてきたので、先に行っていた恋人のところに合流、私は近くで座って聴きました。
何より安定感!!
プロだな〜と感じました。
歌がものすごく上手いことに加えて、全ての音を大切にしている感じが素敵でした。
それぞれがとても綺麗で、ここにこの音ほしい!というところにちょうど出てくるのに、主張しすぎず、全体としてまとまりがあって…圧巻でした。
あとは、どの曲も良すぎて、彼が帰り際に、良かった曲を選ぶのに相当苦労していました。
ubugoe、素晴らしかったし、三拍子の曲も楽しかった、bluesoulsも美しかった。
特にmcで、この世の中を生き残ろうと言い残したあとのラストの「けもののなまえ」はぐっとくるものがありました。
それから、先ほど目星をつけた、自家製シロップのドリンクを販売しているお店へ、黒板に書かれた「白ワイン割り 600円」の文字が忘れられなくて、買い求めに行きました。
長髪の優しいお兄さんに可愛らしい見た目のサングリアを注いでもらいました。
これがめちゃくちゃ美味しくて、ちびちびと口にしながらどんぐりずを少しだけ聴きました。
ものすごい人の量にまず驚いて、会場の熱気を感じました。
幼い頃片方がもう片方をいじめていたらしいという話や、知り合いの髪型が完全にどんぐりずだという話をしながら、目に留まった建物の名前を歌詞にして歌ってくれちゃう音楽を楽しみました。
それから海側に移動しました。
彼がHelsinki Lambda Clubを観ている間、私は海側の入口付近のお店を少し散策して、魚介のチーズリゾットを買い、コンクリートの段差のところで流れる音楽をBGMに食べました。
美味しい。最強。
お店がありすぎて、どれも良すぎて、選ぶのが本当に大変ですね、森道は。
サニーデイ・サービスは、後ろの方の芝生にシートを引いて座って聴きました。
2人でうとうとして、しまいには横になりました。
まったりゆっくり、心地良い音楽の中でうとうと、幸せすぎて、なんて良い日なんだろう〜と繰り返しました。
穏やかなんだけれど、割と元気、でも優しい、そんな音楽でした。
周りのシート勢も、横になったり、ご飯を食べたり、酒飲んだり…良い天気と海風と、午後の良い時間にぴったりでした。
彼はcinema staffを観に行ったので、私は藤原さくらを観に行きました。
リハーサルだったのか、最初の曲だったのかわからないけれど、砂浜を歩いて行くと「500マイル」が聞こえて来て、おお〜って、懐かしさに震えました。
ドラマの内容はなんとなくしか覚えてないけれど、小さなライブハウスで500マイルを演奏し始めて観客が湧くあの感じが目の前にあって、感動しました。
個人的には、「Waver」の「wave(s) and wave(s) and wave(s)」「waver」のフレーズが本当に気持ち良くて好きでした。
あと、サポートで来ていたKeikoさん、ハモリがめちゃめちゃ気持ち良くて、ピアノやメロディオンも本当に素敵でした。
海を後ろに聴く優しくて暖かい音楽と歌声、心地よくて聴き惚れてしまいました。
最高でした。
YOUR SONG IS GOODが流れてくる中、浜辺に沿って端の方のお店を散策し、yonawoを聴きに戻りました。
砂浜にレジャーシートを敷いて、座って聴きました。
森道に行くと決めてから、聴くようになったのだけれど、私は激しい音楽よりも落ち着いた音楽を好む傾向にあるらしくて、yonawoの夜っぽさとエロい感じにはまっていたので、楽しみなバンドのひとつでもありました。
これもまた、心地が良くて、うとうとしてしまったのだけれど、やっぱりとてもおしゃれでした。
音楽もだけれど、mcもとっても静かで、ちょっと笑ってしまいました。
ゲス極の人気とライブ慣れには圧倒されました。
さすが!という感じ。
盛り上げ方の上手さと、歌の上手さには、なんとなくテレビ出演など故に一般化されている「川谷絵音」を超えて、やはり本物のアーティストなんだなと感じさせられました。
あとはベースがめちゃくちゃかっこよかったです。
裏話で言うと私は彼と出会ってしばらくはベースの音が分からなくて、ここがカッコいいと言われても意味不明でした。
彼と出会ってから、パートごと?にも音楽を聴くようになって、すっかりベースばかり聴こえるようになりました。
何曲か聴いたあと、ご飯を求めてお店を散策している途中、端のステージで女性が準備をしていました。
近くのお店でパッタイを買って、リハーサルから聴きながら、ステージの前の芝生に座って食べました。
美しい声とピアノの音色、戦争について歌う歌詞、突然打ち込みの音源を流す不思議さに惹かれて、そのあと行く予定だったパソコン音楽クラブに行かずに、リハーサル後も1時間ぶっ通しで聴き惚れました。
青谷明日香さんという方で、おそらく童謡などもやられている方、子供連れの家族も観に来ていました。
最初の方の包み込むような落ち着いた音楽は夕方の海の背景に優しく溶けていくようでした。
中盤にはかまぼこ板の曲(異端児の城)キョンシーの曲(ブルーキョンシー)や方言の曲(あんべいいな)など、明るくてテンポの良い面白い曲もやってくださいました。
キョンシーは大人も子供もカップルも夫婦もみんなで右手左手前に出して、踊りました。
とっても素敵な光景でした。
あんべいいなは、名古屋ではなんという?という質問に、あるお客さんが「でらいい」と答えると「あんべいいな」を「でらいい」に変えて歌ってくれました。
語呂悪いね〜って、笑いました。
私は最後に歌ってくれた「意味」という曲がとても印象に残りました。
夕暮れの美しい色と海の青、芝生の緑に、目の前の同い年くらいの女の子2人がシートに寝そべって手のひらを空に向かってあげて笑い合っている姿、隣の親子連れはお母さんの上に1人、走り回ってはしゃいでる子が1人、お父さんは揺れながらにっこりと見つめている姿、斜め前の個性的な可愛らしい服のカップルの肩を寄せ合う姿、全てが美しく歌詞にマッチしていて、思わず涙が出ました。
こんなに美しい時間と、こんなに美しい涙を流せただけで、生きていてよかったなあと思えるような、幸せな演奏でした。
今回が初めてだけれど、こういう出会いがあるのが森道のいいところなんだろうなあと思いました。
最後にジンジャーホットワインを買ってKIRINJIに向かいました。
日はすっかり暮れて夜になりました。
KIRINJIはそんなにライブをしないらしいですね。
あんなに大きなアーティストでも、緊張しているのかなあというのが新鮮で、人間らしくて、素敵でした。
お酒と夜がとっても似合って、盛り上がっているのだけれどその盛り上がり方はみんなほろ酔いという感じ。
演奏の始まった瞬間に空気をほろ酔いにしてしまうのはやっぱり圧巻だなあと思いました。
エロかっこいいという表現は薄すぎるかもしれないけど、そんな感じ、イケおじ、素敵です。
歌詞が訳わからないのがまたいいよね〜と彼と話しながら帰りました。
最後にふさわしいライブでした。
素敵な夜をありがとうございます、という感じ。
本当に楽しくて、景色もお店も音楽も、素敵な素敵な1日でした。
彼は3日間通しで参加したのだけれど、通したくなるのが分かる、来年はもっと色んな音楽を知った上で2日以上参加してみたいなあと思いました。
幸せすぎて、この1日だけをぎゅっと宝箱に入れておきたいです。
終わります。