ポール・セリュジエってどんな画家?
ポール・セリュジエ(Paul Sérusier)は、1864年11月9日にフランス・パリで生まれ、1927年10月7日にモルレーで亡くなったポスト印象派の画家です。彼はナビ派の創設メンバーとして知られ、特にポール・ゴーギャンの影響を受けた作品で有名です。セリュジエは、1885年にアカデミー・ジュリアンに入学し、絵画の道を歩み始めました。彼の芸術的キャリアは、1888年の夏にブルターニュのポン=タヴァンを訪れたことから大きく変わりました。この地で彼はポール・ゴーギャンと出会い、彼の指導を受けながら「タリスマン」という作品を制作しました。この作品は、セリュジエの代表作であり、純粋抽象絵画の先駆的な例とされています。
セリュジエのスタイルは、色彩豊かで平面的な表現が特徴です。彼はナビ派の理念に基づき、写実主義を否定し、感情や印象を重視した作品を制作しました。特に「クロワゾニスム」と呼ばれるスタイルでは、強い輪郭線と非自然主義的な色彩選択が見られます。彼の主な作品には、「タリスマン(護符)」(1888年)、および「森の中の4人のブルターニュの少女」(1892年)などがあります。
セリュジエは後にアカデミー・ランソンで教鞭を執り、1921年には『ABC de la peinture』という著書を出版しました。彼はナビ派として活動する中で、多くの後進に影響を与え、そのスタイルや理念は後世のアーティストにも受け継がれています。彼の作品は、印象派から影響を受けつつも、より抽象的で装飾的な要素を取り入れています。彼が愛したブルターニュ地方は、多くの作品にインスピレーションを与えました。