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スープさえあれば
食べた物が身体をつくる
シンガポールは基本、外食文化。
「Hawker center(ホーカーセンター)」と言われる、屋台が立ち並ぶ空間で好きな食事を気軽に選び、食べることができる。多民族国家ゆえ、食事の種類が豊富で、それだけ選択肢も多い。その中でも体調を整えるためにお勧めしたいのが「herbal soup」いわゆる生薬スープである。
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ここは「tiong bahru market」
」
注文は簡単
まずは席の確保。ティッシュや傘などを置いて、人がいる事をアピール。その後注文したい屋台を探す。英語が苦手でも、メニューに番号が書いてあるので「Can I have No〇?」「having here」〇番をください。ここで食べます。と言えば注文は終了。スープには、大小様々な生薬がたっぷり入っている屋台と、お肉のみの屋台がある。後者はお値段お安め。入っている生薬の栄養素はスープにでているので、苦くて食べづらい生薬は無理に口にする必要はない。
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手前は豚肉ベースの滋養スープ お肉のみのタイプ
ご飯はキノコ類で作ったパテをのせた物
もう一つの滋養強壮スープ
シンガポールの定番スープと言えば「バクテー」である。
その昔、港で働く苦力(クーリー)と呼ばれる労働者たちが、栄養補給のため飲食店で残った豚の肋肉を煮込んで、ニンニク、塩、胡椒で味付けをしたのが始まりと言われている。人気店ともなれば、食事時間帯は長蛇の列ができる。
一方で、マレーシアのバクテーは、病弱な子供のための滋養強壮を目的として「熟地黄」が入っている。その為スープの色は黒く、少し生薬っぽい匂いがする。それぞれのお店を見つけて、二つを食べ比べてみるのも面白い。スーパーで、サシェになったスープの素も売られているので、気に入ったのなら購入し、帰国後自宅で作る事もできる。
◎熟地黄 ゴマノハグサ科 根 地黄を蒸して乾燥した物
五味:甘 微温
帰経:肝 腎
効能:補血滋陰 益精填髄
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付け合せで揚げパン(左手前)と、五香粉で味付けした肉を湯葉で巻いた揚物
食文化を通して
その国の歴史、体調管理に必要な栄養素、健康に対する考え方が見えてくるのが面白い。様々な香辛料、お野菜、薬草など、私たちは本来自然に生かされ、自然に寄り添って生活してきたのだという事を改めて感じる。忙しさに追われ、簡単に手軽に済ませてしまいがちな食事だが、煮込んで作るスープなら、何かをしながらついでに作れるので、試してみてはいかが?