ゲンキちゃんへ その6
朝起きたらゲンキちゃんがいない。
夜寝る時も私のベットにはもう上がって来ない。
お掃除をしてても、お料理をしてても、ご飯食べてても、何をしてても何かが欠けているこの感じ。
相変わらず胸は張り裂けそうに痛いし、身体中が悲しみで痺れる感じ。
頭の中ではゲンキちゃんとの懐かしい思い出のシーンが駆けめぐる。
涙、涙、涙。もう気が狂いそう。生きる気力が湧かない。
退職して家にほとんど居る事が多くなった私の元に、ワンちゃんを飼いたいという念願を叶える為、そして海外暮らしの孤独を埋める為に、先祖が同郷のゲンキちゃんを迎えた時は、嬉しくて飛び上がる程だったよ。
それ以来、楽しい時も、悲しい時も、辛い時も、疲れている時も、いつもいつも私を支えて、癒してくれていたゲンキちゃん。
ゲンキちゃんは愛嬌たっぷりの女の子で、ちょっぴりビビりだけど気が強くて、いつも我が道を行く意志の強い、とても賢いワンちゃんだった。その可愛い仕草で、私を笑顔にしてくれ、その優しい目で見つめて、私を慰めてくれたね。私は貴女に何度も何度も救われました。
ああ、もう一度ゲンキちゃんのそばに居て、ゲンキちゃんの匂いを嗅いでみたい。
何事もなく過ぎて行ったごく普通の日常が、どんなに貴重で大切なものだったのか、今ゲンキちゃんを亡くしてようやく分かり始めました。思い返すと、私が自分の用事で忙しく、ゲンキちゃんに構ってあげられない時も、ゲンキちゃんは常に私を見てくれていて、常にそばに居てくれた。ゲンキちゃんがいつも居てくれているというのが当たり前で、そのありがたさが、あの頃はわからなかった。
ゲンキちゃん教えて!
ゲンキちゃんが居ないこのポッカリ穴の空どうしたら埋められの?
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