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八洲学園大学を卒業したよ【薬学部中退→通信制大学編入レポ】

先日、私が在籍していた八洲学園大学の2024春期の成績発表が行われ、卒業が確定しました。
おめでとう私!

こんな感じでメールが届いて卒業確定を知りました。
メールのタイトルが優しい。

八洲の事務連絡は全部言葉が優しくてありがたいです。
(大学の事務って結構きつくて雑なところ多くない?やめてほしいよね)

このnoteに辿り着いた方は大体もうご存知かと思いますが、八洲学園大学は通信制大学です。

また、通信制大学の中でも珍しく(というかここだけ?)一度も通学せずにオンラインのみで卒業ができる大学となっています。

そのあたりの詳しいことは八洲学園の公式サイトや、それ以外にも色々まとめてくれているサイトがあるのでそちらを見ていただくとして。

私は実際に卒業した者として、八洲学園大学の学生になってみないと分からないことを書き残そうと思います。

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*以下、センシティブな内容(心身を病んだ話、自殺未遂の話)も含みます。
また、当記事に書かれている内容は全てあくまでも私個人の主観です。
実際に入学を迷われている方も参考程度にお読みいただき、ご自身の状況をよく分析した上で自己責任でご判断ください。

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私は、「元々通学制の大学に通っていたが、心身ともに病んで通えなくなり中退し、残りの単位を通信制大学で取った」という形です。

資格を取りたいとか勉強したいとかでは全然ないです。
ただただ、とりあえず大卒の資格取っときたかっただけ。


なので私と同じように、病気などやむを得ない事情で通信制大学への編入を考える方のお役に立てたら・心の支えになれたらと思います。

そのため主にそういった境遇の方に向けて書いた記事となっています。
(境遇は全然違っても、「通信制大学ってどんな感じ?」と知りたい方なら十分参考にはなるかと◎)

大学を休学したり中退したり編入したりってすごく勇気のいる決断かもしれませんが、私は結果的に「通信制大学に編入してよかった」と思っています。


入学までの詳しい経緯

八洲学園には、昨年2023年の10月に入学しました。
まずはそれまでの詳しい経緯を記します。
(この項目は読み飛ばしてもOK)

2019
高校卒業後、大学は6年制の薬学部薬学科に進学。



2019-2021
1年生の終わり〜2年生の終わりまでコロナ禍でほぼオンライン授業だった。



2021
3年生から徐々に登校が再開。
昔から病みやすい性質ではあったが、この段階では特に心身ともに大きく調子を壊していた。

希死念慮がえぐすぎて日常生活にも影響を及ぼしており、これはまずい苦しすぎる、自分じゃもうどうにもできん と思い、勇気を出してメンクリを予約し、1年くらい通う。
(高校生のときからHSP、鬱傾向で自傷行為あり、自律神経失調症、PMDD、メニエール病などを持っており生きづらさ満載であった)



2022
4年生まではなんとかストレートで進級するも、4年生から完全に登校が再開し最初の4月で爆病み。
授業中や電車の中でわけもなくとにかく辛くて苦しくて、涙が止まらない状態だった。

1年間のメンクリ通いや服薬も虚しく、あまりの苦しさに「これからも生きていくのもう無理だな」と感じ、一人暮らしの自宅で自殺未遂を行う。(結果失敗)
この当時の私は、「このまま大学をストレートで卒業して就職して生きていくか、それができないなら死ぬしかない。だから死のう」みたいな限界の思考状態だった。
自分が今まで普通だ・正解だと思っていたレールから外れることはできない・してはいけないと考えていたのだ。
(今は何が普通とか正解とかそんなの決まってないんだなって思えるようになった)

自殺未遂の失敗に気づいたとき、今元通りの生活に戻って生きていくのは絶対に不可能なことを自覚したのでここで初めて親に今の状態を相談し、2022年5月から約1年間の休学を決定。
休学願を書くために付けてもらった診断名は適応障害だった。

ていうか自殺未遂の失敗って日本語何だ。死ぬことに失敗って言葉おかしいよね。生きてることに成功しとるやんけ。
でも当時は失敗だと感じてたんだよね。恐ろしい。



2023.4-5月
約1年間休学したのち、6年制の薬学部薬学科の卒業・薬剤師国家試験の合格は諦めて、4年制の薬学部研究科に転学科を行うなど色々工夫してなんとか卒業しようと頑張った。
(6年制の薬学部薬学科を卒業して薬剤師の免許が取れないのは、6年制の医学部医学科を卒業したのに医師の免許が取れなくて医者になれないみたいなもん。大半は免許を取ってその仕事に就くし、そのためにその学科に入って6年も勉強してる。)

が、普通にメンタルの調子全然治ってなかったし休学明け1週目から体調も崩しまくりだった。
4週間くらい頑張って通ったけど5月時点で心身ともに限界、再び通えなくなった。



2023.5-7月
私が絶望して希死念慮に苛まれていたところ、親が通信制大学のことを調べて教えてくれた。
それまでの自分の中ではあまり考えたことがない選択肢であった。(休学中に軽く調べてはいたが、実際編入するとは思っていなかった)

しかし元の大学に通学するのはもう絶対に無理だと感じていたので、焦りや不安を感じながらも通信制大学への編入を決意。



2023.7-10月
八洲学園では年に1,4,7,10月の4回も入学できるタイミングがある。(すごい)
私は7月に元いた大学を退学・八洲学園に願書を提出し、10月に入学した。

願書といっても、Web上で簡単な志望動機とか書いて送信するだけでよくて全然難しくはなかった記憶。

元いた薬学部の1-3年生で取得していた単位が、八洲学園で変換できる単位数の上限まで認定され、最短1年だけ八洲学園で授業を受ければ卒業できることが決定した。



2024.9月現在
ちゃんと頑張って最短の1年で卒業した。
結局、元いた6年制の薬学部薬学科の同期よりも半年早く大卒の資格を得ることとなった。(6年制の人々は来春卒業)

この1年で、メンタルもほんっっっっとだいぶ健康になったなぁと思うし、自分の体調ともだいぶ上手に付き合えるようになってきた。
(この過程もいつか記事にしてシェアできたらいいかも)


八洲学園大学での目標

私が八洲学園大学で目標としたことはただ一つ、「卒業要件を満たして大卒の資格を取ること」である。

いい成績を取ろうとか、授業を真剣に聞いて身につけようとか、思っていない。
というか思ってはいけない。


私は完璧主義なところがあって、勉強というものが基本的に嫌いなくせにやらなきゃと義務感ばかり募らせて、でもできなくて、その結果心身をぶっ壊したみたいなところがあるからである。

というか鬱状態のときの人間の頭にはまじで、難しいことは何も入ってこない。
授業なんて聞けなくて当たり前なのである。


頑張ることをしすぎて頑張れなくなって元いた大学をやめるという結果になっているのだから、もうそのときの私が目指していたのはいかに「頑張らない」を上手くできるかであった。

といってももちろんサボり散らかして単位を落とすというような頑張らないではなく、最低ライン(卒業する)が満たせるのであればあとはなんでもOK、という考え方でいようと努力した。

理想は最短の1年間で卒業できたら1番嬉しいが、それに固執しすぎないようにしようという意識はしていた。

実際にはやはり完璧主義なところは消し切れておらず、心のどこかでは絶対1年で卒業したいと思っていたので、無事最短の期間で卒業することができ、ほっとした。


感想 (こんな人なら卒業楽勝)

通信制大学への入学を迷っている方が特に気になるポイントとして「想像がつかない」「卒業が難しそう」というものがあると思う。

私自身、入学前にたくさんネットで調べたが、実際の通信制大学卒業生のSNSやブログみたいなものは全然見つけられず不安であった。


実際に私が1年間八洲学園大学の学生をやって無事卒業が決まった今、これに関して思うことは、「1年間でも大学に通った経験があり、まあまあレポートもこなせてた人なら楽勝だと思う」である。

八洲学園大学での課題はほぼレポートである。多分。私が選んだ科目がそうだっただけかも。

でも少なくとも私は、シラバスにおいて「課題がどれだけ楽そうか」だけを基準に講義を選んだのでそう思った。

たまに「これ難しそうだけどちょっと興味あるかも」とか思う科目もあったが、自分が調子を崩してどうしても頑張れなくなったときでもギリギリこなせるラインのものだけを取るために、やはり全て課題の難易度を基準に選んだ。


ちなみに私は卒業のための必要な単位数ぴったりの講義だけを取っていた。
まあ落としたら次のタームでその分だけ追加しようかなと。

学びたい、ではなく卒業したい、が目的だったからである。
そんでどうして卒業したいのかっていうと、まあとりあえずは「退学した大学に約4年間もかけた費用と努力がもったいないから」である。

約4年間の費用と努力が消えて最終学歴高卒になるよりは、あと1年で大卒になれるのならさすがになっときたいだろうと。

こんな感じで、私のように元々大学に行った経験があってただただ卒業だけを目指す人であれば、事前にシラバスをしっかり読み込んで自分が比較的楽にできそうな講義を取れば全然卒業は難しくないと感じた。

また、高校を卒業してそのまま1年次から通信制大学への入学を考えている方は「大学のレポートってどんなの?」と不安になるかもしれないが、「八洲学園レポートルールブック」みたいなものもちゃんとあるし、基本的に指定の形式を守って聞かれたことに答えてれば大丈夫である。
特別身構えるような変わったことはない。

強いて言うなら履修登録は体験したことなかったら最初は大変かもだけど、事務の方に質問すればメールで優しく教えてくれるし、全然なんとでもなる。

こんな人は無理かも

逆に、こんな人は通信制大学で卒業を目指すのは難しそうだなと思う特徴を挙げる。

*「スクーリング/テキスト科目って?」「オンデマンド受講って?」など詳しい語句の説明は割愛するので、ネットで調べてみてね
(まとめてくれている記事がたくさんあります◎)


・自分でスケジュール管理ができない人


まず八洲のスクーリング科目は、オンライン(リアルタイム)での受講必須なものとオンデマンド受講でOKなものがある。

あとたまにちゃんと大学まで行かないといけない授業もあったと思う。(専門的な資格取得を目指す学生向けの科目に多いイメージ。大学は神奈川の桜木町にある。私は一度も行かずに卒業した)

私はオンデマンド受講OKのものしか選んでいない。リアルタイムだと見るの忘れちゃうしめんどいから。

あとコロナ禍で倍速動画授業に慣れてしまった身からすると、リアルタイムで90分(1コマ)拘束されるのきつい。
ので、オンデマンドで、Googlechromeの拡張機能使って倍速とかにして見てた。(デフォルトでは倍速機能がない。不便)

オンデマンド受講OKの中でも、
・動画配信から24h以内に課題提出しないと出席扱いにならないものと、1週間以内までOKなもの
・簡単な感想文の提出で出席扱いになるものと、面倒なレポートを書かなきゃいけないもの

などがあり融通の効き具合が科目によって様々なので、ここもシラバスをしっかり読むべし。

あと私の場合、毎週この曜日がスクーリングの日!と分かってるつもりでも期限までに見るの忘れちゃったりもしたので、途中からスマホのリマインダー機能でちゃんとスクーリングの日に通知が来るようにした。
本当に誰も教えてくれないから、スケジュール管理については自分の特性に合わせた対策が必須。


次にテキスト科目は、指定された本を自分で買い、それを自分のペースで読み進め、決まった期間中に出されて課題を提出するという仕組みである。
授業は一度もない。レジュメもない。びっくり。
始まるまで全然分かってなかったからこれ1番びっくりした。

大きな課題が配信されたときはメールでお知らせが来るが、それ以外は何のアナウンスもないので、スクーリング科目と同様に全部自分でスケジュールを管理しないといけない。
「気づいたら提出期間終わってた」って人も多いんじゃないかと思う。

ただ大きな課題の配信・提出期間は基本的に全教科同じだし、履修登録前にシラバスを見れば全部書いてあるので、履修登録が完了した時点でスケジュール帳に登録しておけば特に難しいことはない。
私はそうしてました。

なんならシラバスに最初から(履修登録前の時点で)課題内容が全部載ってる科目も割とあるので、そういうのを選んでちょこちょこ進めておくと課題期間に一気に課題をやらなきゃいけないってことを避けられてとても楽だったよ。

計画性、大事。

・レポートが苦手な人

科目にもよるかもしれないが、少なくとも私が受講した17科目はほぼほぼレポート課題で、テスト的な問題はほとんど出ない。

逆に言えば暗記はほぼ全く必要ない。
しかし、自分の意見を述べたり、文章をまとめたり、1000文字以上の長い文章を書いたりするのが苦手で本当にできない!という方はすごく厳しいと思う。

ちなみに私は感想とか書くのはギリできるが、普通にめんどくさくて嫌いである。
専門性や論理的な内容であれば尚更だ。
だからめちゃくちゃchatGPTちゃんに頼った。

薬学生時代では、AIがレポートの答えを教えてくれるなんて絶対にありえなかった。(そもそも数学や化学的な課題が多く計算やグラフ、実際の実験結果を書かないといけなかったり、専門的すぎてAIにはわからない)

自分の意見を述べる系のレポートって、こんなに楽(chatGPTがめちゃくちゃ役立てられるから)なのか…と感動した。

いまいち何を聞かれているのかわからない課題でも、とりあえずchatGPTちゃんに投げたら回答してくれるので「あーそういうことか!」「そういう方向性でまとめたらいいのね」みたいにわかって超助かる。
なんて便利な時代…。

八洲ではAIの使用禁止ですとは言われていないけど、教科によっては「自分の言葉で書いてください」「似すぎる回答があったら不可とします」などと記載してあるものもあった。

コピペはよくないので、アイディアや枠組みだけ参考にして自分の言葉も交える感じで頑張ってほしい。
それでも0から自分で考えるよりは格段に楽であった。

…とはいえ、正直八洲学園大学のレポートで「不可」が付くことって基本ないんじゃないかと思う。
クオリティ関係なく、レポートの条件(形式や文字数)さえ満たしていれば、多分優・良・可のうち可は絶対くれるんじゃないかな。

先生方の講評コメントや課題の条件を見ても、そういう(よっぽどのことがなければ単位あげるよという)ふうに感じられました。

だから、ちゃんと期限内に条件を満たして提出さえできればよさげ。
普通に高校卒業した人で、これまでにレポートの類を複数こなしてきた人であれば、文章力ない…国語苦手…とか、そこまで気にしなくてもいいと思う。

友達はできない

別ジャンルで、「誰とも会えないので孤独である・友達が増えない」というデメリットもある。

通信制大学に編入するタイミングで、Twitterで #通信制大学 とか 八洲学園大学 とかで調べてみたけど、通信制大学生であることをテーマ(?)としたアカウントってほぼいない。

浪人界隈って言葉は割と見かけるのに、中退界隈って言葉はないのね。
もしかしたら何年か先には流行るかもしれないね。

ただそうなったとしても、通信制大学ってかなり色んな年齢の方が集まってるので、通学生の大学みたいに同年代の友達がたくさんできるという感じにはならないかも?
あと住んでる場所も全国バラバラで、結局会う場を自発的に設けないとリアルでは会えないわけだから、基本はネット上の繋がりだけになりそうかなぁ。

これはもう、バイトとか趣味友達作るとかするしかない。
通信制大学で友達作るのは、現時点ではまじで難しいと思う。

その分気楽でもある。
私が受けてたスクーリング科目は一度も登校なしだし、ビデオで顔映したりボイスチャットで声を出したりも一切なかったので、1年間同じ授業を受けている誰の顔も声も知らないまま卒業した。

デメリットと書いたけど、人と関わるのが嫌って人にとっては超メリットだね。

結論

まとめると、

・レポートが書ける
・スケジュール管理ができる
・大学以外で十分人と交流できるコミュニティがある(もしくはなくても平気)

これらが全て当てはまる人は、たとえ1年次からの入学であっても、通学制の大学に比べたら卒業することは全然難しくないと思う。
逆に自信ない…って人も、どうやったらできるようになりそうかなっていう対策を事前にしておけば大丈夫だと思う。


在籍可能年数も長いので、4年で卒業できなくても自分のペースで頑張ることも可能。
(1年次から入学の人は最長12年在籍可能らしい)

図書館司書や学芸員などの専門的な資格も取ろうと思えば取れるし、就職支援もあるらしい。(私は独自ルートで働いているので就活関連のことは詳しく言及できないです)

あと通学制大学より学費も相当安いはず。(取る科目数にもよるかもだけど、入学金とか授業料は安い。このへんもネット上に詳しい記事があると思うのでそちらを参考に)

結論、「何らかのやむを得ない事情で通学制の大学を卒業するのは難しそうだが、大卒の資格は得たい」という人には、非常におすすめな大学です。
怖くないよ。


さいごに(人生はそれぞれ)

通信制大学に対してネガティブなイメージがあったり、不安だったりする人も、ぜひ「大卒」になるための前向きな選択肢として捉えてもらえるといいんじゃないかなぁと思います。

やっぱり通学制の大学に比べて数字で出ている卒業率が低めだから難しそうで不安と思うかもだけど、そもそも在籍してる中には卒業が目的じゃない学生も多いし(社会人だけど資格取得を目指して在籍しているというような人もいます)
難易度的には問題ないと思います。

卒業しようという気力と、その気力を発揮できるだけの心身の健康と、十分な時間があれば絶対大丈夫。


ただ、病気系で通学制大学を諦めて通信制大学に行こうかなって人は、心身の状態が整わないうちは絶対に焦ったり無理したりしないように心がけてほしいです。
(通学制に比べたら、通信制の方が圧倒的に自分の心身の状態に合わせたペースに調節しやすいのは間違いないよ!)

生きてることが1番大事です。
生きるか死ぬかの前では、大学を卒業したかどうかなんて正直どうでもいい話。まじで。

どんなときでも絶望して投げ出すことはせず、パニックにならず、そうなりそうなときは一旦休んで、自分にとって1番生きやすい状態を探してほしいです。
その状態があなたの人生の正解です。

人生それぞれなのでね。
何においてもそれぞれのペースで、無理に頑張りすぎず、自分に合ったスタイルを見つけられたらよいのです。

このあと、記憶が新しいうちに私が受講した全ての科目とその内容・感想についての記事も書けたらと思ってます。
あんまり詳しいところは有料記事にするかも。
そちらも興味のある方はぜひご参考に。

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