ハリネズミ

脆く儚くも美しい愛の形を模索中❦ あなたの胸の奥底に潜んだ感情を揺さぶりたい❦小説❦

ハリネズミ

脆く儚くも美しい愛の形を模索中❦ あなたの胸の奥底に潜んだ感情を揺さぶりたい❦小説❦

記事一覧

【ノスタルジア】最終回 ❦GL恋愛小説❦

〈 卒業式 〉 私は優希さんの姿を最後にひと目だけても見ようと、キャンパスに来ていた。優希さんが卒業してしまえばもう偶然に会える事もなくなる。そう思うと、居てもた…

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【ノスタルジア】Part5 ❦ GL恋愛小説❦

「私は優希さんのことが好きです。」 私は綾斗と美桜の関係を疑ってここに来た。それなら綾人との関係を問いただせばいいだけなのに、どうして美桜の私に対する気持ちを試…

ハリネズミ
10日前
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【ノスタルジア】Part4 ❦ GL恋愛小説❦

「美桜、いつからこうしてるの?風邪ひくから帰ろう。」 「どうして私のとこに来たんですか?今日はイブなのに綾人さんを放っておいていいんですか?」 「美桜を送ったら…

ハリネズミ
2週間前
9

【 ノスタルジア 】Part3 ❦ GL恋愛小説❦

優希さんと一緒にいることが多くなってから、必然的に優希さんの彼氏の綾人さんとも一緒にいるようになった。優希さんが私のことを妹扱いするものだから、綾人さんも 「優…

ハリネズミ
1か月前
5

【 ノスタルジア 】 Part2 ❦GL恋愛小説❦

誕生日のあの日から私と優希さんの距離はグッと近づいた。 今まで少し離れた所にいた私を、優希さんは自分のそばに呼び寄せるようになり、物理的な距離も心の距離もずっと…

ハリネズミ
1か月前
5

【 ノスタルジア 】 Part1 ❦GL恋愛小説❦

「ふぅー、やっと終わった。」 私は解放感から大きく伸びをした。 大学を卒業しWeb企画&制作会社に就職した私は、一通りの仕事を覚え、与えられた業務を必死にこなす日…

ハリネズミ
1か月前
9

【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ 最終回

体が鉛のように重い。 昨日沙羅のラジオを聞いた後、泣き疲れていつ眠ったのかも思い出せない。私は冷たい水で何度も顔を洗い頭を振った。 葵ちゃん…。 沙羅と葵ちゃん…

ハリネズミ
3か月前
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【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.3

タクシーに飛び乗った沙羅は病院へ向かった。着くなり玄関を入っていく直人が見え、沙羅は大声で呼んだ。 「直人くーん。」 「あっ、沙羅、丁度よかった。一緒に行こう。…

ハリネズミ
3か月前
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【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.2

渦巻く世界 学園祭の翌日、沙羅は学校に来ていなかった。もしかすると来れなかったと言う方が正しいのかもしれない。 沙羅のステージパフォーマンスは、生徒達によってXや…

ハリネズミ
4か月前
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【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.1

プロローグ 「必ず迎えに来るから。離れててもずっと一緒だよ。」 ねぇ、葵ちゃん? この言葉、覚えてる? 施設で育つ私のたった一つの希望。 絶望と言うほど真っ黒で…

ハリネズミ
4か月前
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【 パンドラの箱が開く時 】最終回 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

エピローグ 莉子、元気ですか? あれから12年••• 私達27歳になったんだね。 SNSでも何でも繋がる方法はあるのに、別れてから1度も試した事はなかった。何度か莉子を見…

ハリネズミ
6か月前
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【 パンドラの箱が開く時 】vol.6 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

莉子へ 心に焼き付けてる写真は 沢山あるのに スマホにはたった1枚 あなたの後ろ姿 写真に写し出せない愛が 痛みに似た痺れとなり 今も疼く あなたが望んでくれたように…

ハリネズミ
6か月前
2

【 パンドラの箱が開く時 】vol.5 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

莉子へ 私の初めては全てあなたでした。 あの頃の私達をあなたは後悔していませんか? あなたにとっては記憶の1ページに過ぎませんか? あなたは今、幸せですか? 私の…

ハリネズミ
6か月前
2

【 パンドラの箱が開く時 】vol.4 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

エレンへ エレンは眩しく輝く太陽のような人。 太陽が輝けば輝くほど陰が濃くなる。 あなたのその輝きを、私が曇らせることがありませんように。 莉子より ❦この手紙を…

ハリネズミ
6か月前
2

【 パンドラの箱が開く時 】vol.3 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

桐島エレン  27歳 私は今でもバレンタインのチョコに添えられた、あのメッセージカードを大切に持っている。 【あなたが私を見つけてくれますように 】 誰がくれたのか…

ハリネズミ
6か月前
4

【 パンドラの箱が開く時 】vol.2 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

若葉の季節に エレンは現在27歳。 これから語る恋の後、その想いをかき消すように幾度も恋を重ねてきた。 なのに新緑が芽吹き若葉の季節になる頃、いつも彼女との出会いが…

ハリネズミ
6か月前
2
【ノスタルジア】最終回 ❦GL恋愛小説❦

【ノスタルジア】最終回 ❦GL恋愛小説❦

〈 卒業式 〉

私は優希さんの姿を最後にひと目だけても見ようと、キャンパスに来ていた。優希さんが卒業してしまえばもう偶然に会える事もなくなる。そう思うと、居てもたってもいられず学校に来てしまった。

どうしようかウロウロしてると、一通のLINEが来た。それはあの日以来、1年以上連絡を取っていない優希さんからのものだった。私は突然のLINEに驚いてしばしスマホを見つめていた。

すると、不意に背後

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【ノスタルジア】Part5 ❦ GL恋愛小説❦

【ノスタルジア】Part5 ❦ GL恋愛小説❦

「私は優希さんのことが好きです。」

私は綾斗と美桜の関係を疑ってここに来た。それなら綾人との関係を問いただせばいいだけなのに、どうして美桜の私に対する気持ちを試してるんだろう。

時に愛は予測不能な行動をとるようで、その証拠に私は今、美桜を抱きしめている。

ゆっくり体を離すと潤んだ瞳の美桜が私を見つめる。美桜の髪を掻きあげ頬をなぞりキスをした。そのままベッドに倒れ込み上から瞳を覗くと、美桜の瞳

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【ノスタルジア】Part4 ❦ GL恋愛小説❦

【ノスタルジア】Part4 ❦ GL恋愛小説❦

「美桜、いつからこうしてるの?風邪ひくから帰ろう。」

「どうして私のとこに来たんですか?今日はイブなのに綾人さんを放っておいていいんですか?」

「美桜を送ったら綾人のところに行くから。とにかく雪も降ってきたし帰ろう。」

「ここにいたいだけなんで、私の事はほっといて下さい。」

「ねぇ、急にどうしちゃったの?様子が変だから心配してるんだよ。今までわがままなんか言った事なかったのに。」

「わが

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【 ノスタルジア 】Part3 ❦ GL恋愛小説❦

【 ノスタルジア 】Part3 ❦ GL恋愛小説❦

優希さんと一緒にいることが多くなってから、必然的に優希さんの彼氏の綾人さんとも一緒にいるようになった。優希さんが私のことを妹扱いするものだから、綾人さんも

「優希の妹なら俺の妹でもあるよなぁ。」

そう言って、私を可愛がってくれた。

そんな綾人さんには親友の慶太さんがいる。陽気な綾人さんとはタイプが異なり、ゆったりとした文学的な雰囲気を感じさせる人。どちらかと言えば正反対の2人なのに気が合うん

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【 ノスタルジア 】 Part2 ❦GL恋愛小説❦

【 ノスタルジア 】 Part2 ❦GL恋愛小説❦

誕生日のあの日から私と優希さんの距離はグッと近づいた。

今まで少し離れた所にいた私を、優希さんは自分のそばに呼び寄せるようになり、物理的な距離も心の距離もずっと近くなった。

ちなみに優希さんの彼氏の武田綾人さんが軽音サークルの部長、優希さんは副部長をしている。
後輩たちからは憧れの存在だ。

そんな優希さんが私をいつもそばに置くようになったものだから、私は優希さんのお気に入りとして、皆に認知さ

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【 ノスタルジア 】 Part1 ❦GL恋愛小説❦

【 ノスタルジア 】 Part1 ❦GL恋愛小説❦

「ふぅー、やっと終わった。」

私は解放感から大きく伸びをした。

大学を卒業しWeb企画&制作会社に就職した私は、一通りの仕事を覚え、与えられた業務を必死にこなす日々。クライアントの求めに応じ、美しいデザインと機能的な構成を提案し、あらゆるニーズに応える。Webデザイナーとして活躍する事を夢見ているが、勿論またまだ駆け出し。残業の概念がないようなこの業界で、食事もままならない日々をこなしながら、

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【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ 最終回

【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ 最終回

体が鉛のように重い。

昨日沙羅のラジオを聞いた後、泣き疲れていつ眠ったのかも思い出せない。私は冷たい水で何度も顔を洗い頭を振った。

葵ちゃん…。

沙羅と葵ちゃんが姉妹だったなんて、どうして今まで気づかなかったんだろう。しかも事故で入院してるだなんて…。

私は意を決して沙羅に電話をかけた。
沙羅は私から電話が来る事が分かっているかのようだった。

「沙羅、私、昨日のラジオ聞いて…」

「わか

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【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.3

【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.3

タクシーに飛び乗った沙羅は病院へ向かった。着くなり玄関を入っていく直人が見え、沙羅は大声で呼んだ。

「直人くーん。」
「あっ、沙羅、丁度よかった。一緒に行こう。」

急いで病室へ入ると、丁度担当医が診察をしているところだった。直人は焦るあまり上擦った声を出した。

「さっき、意識が戻ったって連絡もらったんですけど。」
「はい、一旦意識は戻りましたが、今はまた意識レベルが下がりました。事故から半年

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【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.2

【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.2

渦巻く世界

学園祭の翌日、沙羅は学校に来ていなかった。もしかすると来れなかったと言う方が正しいのかもしれない。
沙羅のステージパフォーマンスは、生徒達によってXやTikTokに多数あがっていたし、Yahooの記事にもなっていた。圧倒的なパフォーマンスに素晴らしい歌声。沙羅をたたえるコメントが大半だったが、中には私と見つめあったり、涙を拭うシーンにフォーカスした切り抜きも沢山あった。

一夜にして

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【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.1

【世界を色に例えたら】❦愛の物語❦ vol.1

プロローグ

「必ず迎えに来るから。離れててもずっと一緒だよ。」

ねぇ、葵ちゃん?
この言葉、覚えてる?

施設で育つ私のたった一つの希望。

絶望と言うほど真っ黒でもない。ただただモノクロで色の無い世界を生きている私。その世界に彩りを与えてくれるかもしれない唯一の人。
あなたは、今どうしていますか?

高3の春、人気モデルの藤堂沙羅が転校してきた。その時から私の周りのモノクロの世界が少しずつ色

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【 パンドラの箱が開く時 】最終回 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

【 パンドラの箱が開く時 】最終回 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

エピローグ

莉子、元気ですか?
あれから12年•••
私達27歳になったんだね。

SNSでも何でも繋がる方法はあるのに、別れてから1度も試した事はなかった。何度か莉子を見かけた事もあったけど、声をかける勇気もなかったよ。

女性同士の恋愛ドラマを見た時、心の中に封印していた箱の蓋がいきなり開いた。ずっとずっと心の奥底深くにしまいこんできた箱なのに。

中3での莉子との恋は私には刺激的すぎたし、

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【 パンドラの箱が開く時 】vol.6 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

【 パンドラの箱が開く時 】vol.6 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

莉子へ

心に焼き付けてる写真は
沢山あるのに
スマホにはたった1枚
あなたの後ろ姿

写真に写し出せない愛が
痛みに似た痺れとなり
今も疼く

あなたが望んでくれたように
今の私は輝けていますか?

お互い子供だったねと
あなたは笑いますか?

エレン

莉子と一夜を共にした私は幸せでいっぱいだった。朝目冷めたら私の横に莉子がいる。あったかい体温が伝わってくる。まだ寝てる莉子を優しく包むようにし

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【 パンドラの箱が開く時 】vol.5 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

【 パンドラの箱が開く時 】vol.5 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

莉子へ

私の初めては全てあなたでした。

あの頃の私達をあなたは後悔していませんか?
あなたにとっては記憶の1ページに過ぎませんか?
あなたは今、幸せですか?

私の胸の中はあなたへ聞きたいことと、あなたへの愛で溢れています。

エレンより

夏休み最後のイベントは花火大会。
最近少しギクシャクしてたし、夏の終わりに素敵な思い出が作りたかった。

「莉子、花火大会一緒に行かない?それとも、もう先

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【 パンドラの箱が開く時 】vol.4 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

【 パンドラの箱が開く時 】vol.4 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

エレンへ

エレンは眩しく輝く太陽のような人。
太陽が輝けば輝くほど陰が濃くなる。
あなたのその輝きを、私が曇らせることがありませんように。

莉子より

❦この手紙を27歳になった今でも大切に持っている。

季節は夏を迎えていた。

2人の想いが通じあったあの日から、学校に行くのが今まで以上に楽しいものになった。
部活は惜しくも県予選で負けてしまって引退が決まった。
あとは夏を楽しみ、その後の受

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【 パンドラの箱が開く時 】vol.3 忘れられない恋  ❦恋愛小説❦

【 パンドラの箱が開く時 】vol.3 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

桐島エレン  27歳

私は今でもバレンタインのチョコに添えられた、あのメッセージカードを大切に持っている。

【あなたが私を見つけてくれますように 】

誰がくれたのか分からないチョコに添えられていたメッセージ。

私はその言葉に強く惹かれた。

あの頃の私はあなたに伝えただろうか?

私もあなたをずっと探していました…と。

映画に行った次の日、私は莉子にどんな顔をして会えばいいのかよく分から

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【 パンドラの箱が開く時 】vol.2 忘れられない恋  ❦恋愛小説❦

【 パンドラの箱が開く時 】vol.2 忘れられない恋 ❦恋愛小説❦

若葉の季節に

エレンは現在27歳。
これから語る恋の後、その想いをかき消すように幾度も恋を重ねてきた。
なのに新緑が芽吹き若葉の季節になる頃、いつも彼女との出会いが胸の奥から顔を覗かせる。

若き日のあまりにも幼い恋。

これからどれだけ新しい恋を重ねても、彼女を忘れる事は無いのだろうか?

「ねぇ、私と一緒にやらない?」
「あ。うん。」

私の名は桐島絵恋(エレン)
若草中学3年6組。身長16

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