図書館で借りた本を記録しておく読書通帳というものを知ったのは数年前である。「本の値段」を書くということで、一部の層からは突っぱねられていた。「本来ならばこれだけ書籍代にかかった分を貯金できているということですよ!」という面が受け入れられなかったようだ。
もちろん、著作権者の立場からは、ほんとうは本を買ってほしい。そうでないと自分の収入には結びつかないからだ。それができずに図書館で借りるというなら、こっそりと、著作権者に見えないようにやってほしいということらしい。
その件についてはわたしは ↓ のように思っている。
だが、今日はそこを取り上げる投稿ではない。
読書通帳の「代金を記録(=書籍代の節約を可視化)」ではなく、「自分の読んだ本を記録する」という面にスポットを当てるのはなかなかよいアイディアではないか。買った本も図書館の本も、本のタイトルを書いておくだけでも、あとで読み返したらきっと楽しくなるはずだ。
そう思っていたところへ、10月、校正者の友人である音引屋さんのサロン・ド・オンビキヤ(作品展示即売会)に行った。そのときの話は ↓ の投稿にある。
このサロンに、読書通帳が並べておいてあったのだ。あっ、これがそうなのかと興味本位で見ていたら、店主の音引屋さんが「これ、タイトルを書いておくだけでもお勧めですよー」という。なるほど、本の値段を書くのが目的であれば「この本を買ったら1700円だったけど図書館で借りたから、その分貯金できたことになる」などと考えてしまう。そこが反発を受けたところだが、「お金の節約のために」ではなく「読んだ本の記録のため」に書いておくならいいんじゃないの?
というわけで買ってみたが、ずっと「楽しみのために読書する」余裕がなく本棚に突き刺したままだった。忙しかったというよりも、暑さに弱いわたしはこの夏の暑さと、秋になっても続く高気温に適応できず、「ゆっくり読書するモード」に入れなかったというところである。
最近はやっと「(仕事の資料や勉強としてではなく)本を読みたいな」という気力が出てきて、図書館通いが復活した。それとともに「そうだった、読書通帳買ったんだ、書いていこうかな」と思い、思い出せるところから書くことにした。
自分だけの記号も入れた。「辞」は、「ふだん辞書として使っている(必要なときに必要なところだけを拾って読む)本を、通読してみた」ということ。「図 選書」は、先日の「図書館からの選書リスト」に載っていたので借りてみた、というものだ。顛末は ↓ にある。
こうやって書いてみると、たしかに「書名と著者だけ書いておく」というのもなかなかいいものだ。なんといって見返すときに楽しい。この読書通帳にはまだ数百冊は記録できるから、数年間使えそうである。