帰れなくなったロボット
家の近くに大型商業施設がオープンした。ここに入ったイタリアンレストランに早速行ってみた。Vansanというチェーン店だ。
席につくと、すーっと近寄ってきたのが配膳ロボット。客単価もそこそこ高い(ランチで1500円~)レストランで接客がロボットかと失望した、なんてことはもちろんない。ロボットの方がミスも少ないし、失礼な接客もなくていいよね、と思っていたら隣の席で止まった。ここに料理を持ってきたらしい。
隣席の客が皿を取ったが、ロボットは動かない。「どこか押すのかな?」とボタンを押しても目をピカピカ光らせるだけで本体はまさに直立不動である。
そのまま1分くらい過ぎてから、人間の店員が通りかかった。
「これ動かないんですけど」と客が言う。
「あっすみません、椅子をちょっと引いてみていただけますか? そうしたら(ホームに)帰れるかもしれません」と店員。
言われたとおり、客が椅子を自分の側に引く。するとロボットは回れ右をして帰っていった。
店員いわく、「物がちょっとでも(目の前に)あると動けないんです」。そういう動線設計なのだろうけれど、とくにその客が椅子の位置を後ろにしていたわけでもない。あの程度で動かなくなるなら、プログラミングミスではないかしらん。
「やっぱりロボットより人間のほうがいいのかも」と思いながら観察していたが、それから小一時間の滞在のあいだ、ロボットは大活躍。ずっと「すーっと」動き続けていた。もちろんわたしのテーブルにも来て、皿を取ったらひとりでに帰っていってくれた。
ということは、さっき帰れなくなった席だけが、もしかして動線設計を誤ったのかもしれない。これは変更できる仕様なのだろうか。床にレールを埋め込んであり、レールに沿って磁石等で動くタイプであれば、いったん設定したら変更は難しい気がする。しかしそれではお店側がレイアウト変更をするのは難しいということになるので、動線は変更可能なのだろうか。
次に行ったときにまた観察してみたい。
なお、1か月ほど前、配膳ロボについてこんな投稿をした。前回は和食レストラン(ランチの客単価1000円~)、今回はイタリアン(ランチの客単価1500円~)である。さて、次はどこの店で見ることになるだろう。