ヤバそうなオーガニック化粧品会社の会社説明会
だいぶ前に「主婦休みの日」かなんかで、家電メーカーが「しない家事」について発信してるのを見た。しない家事という言葉を見たのは、エコロジ~な生活をしているという方の記事だったと思う。
丁度育休中だったので、仕事に復帰する前に色々家の中をどうにかせんとなと思っていたところだった。気になったので、この人の本を図書館で借りて読んだりした。洗濯用洗剤で顔と体を洗ってる事が妙に気になったけど、それ以外の所をいくつか参考にさせてもらった。こういうエコな生活してる人のちょっとヤバい部分見るとほっこりする。
収納方法についても改善したいなと思ってシンクのスポンジ置き場について悩んでいた時、なんか命がけでシンクの収納を改善してる人がいた。
エコとかオーガニックとかまるで興味ないし、植物性だから安心とか聞くとトリカブトボタニカル石鹸でも使ってろって思うけど,ルーチンが楽になるものはどんどん取り入れたい。
オーガニックと言うと、就職活動中にみつけたオーガニック化粧品会社のことを思い出す。
就活中の私は迷走していたので、なんでか化粧品にあまり興味がないのにその化粧品会社の説明会に行くことにした。
電車で通えそうだったのが主な理由だと思う。緑豊かな郊外にある社屋の大きなホールでパイプ椅子に座り、会社紹介みたいな映像を見せられた。
司会でマイクを握っていたのは文化祭の実行委員長っぽい顔をした20代女性だった。色々と説明があった後、満を持して社長が登場した。自社商品のおかげで年中すっぴんを貫いてるらしく、なんだかぼんやりした顔の中年女性だった(たいていの中年女性はすっぴんだと顔がぼんやりするものだ)。彼女の両サイドを、彼女に傾倒している謎の男性二人が固めていて、なんだか気持ちが悪かった。
もしもここに入社したら,給与の対価として労働以外のもの、即ち「信仰」を要求されそうで怖かった。社長の言ってる事は「思い」とか「こだわり」、「アイディア」みたいな抽象的な言葉ばかりで結局何が言いたいのかよくわからなかった。
その後,新入社員が数人出てきて、会社の様子について話した。みんな楽しく働いている事を存分にアピールしていた。社員は美術系の人が多く、確かに配られた冊子はとてもきれいで、内容も東洋医学が中心で人々のオーガニック魂をくすぐりそうだった。
東洋医学、興味はあるけど、東洋医学と遊びに行こうとするともれなく変な宗教とかマルチとかいう奴らもついてきて、西洋医学の悪口を言ってくるので面倒になる。私は東洋医学と二人だけで遊びに行きたいんだけど。でも肝心の東洋医学も、相手によっては「悪い物が出ていきます」とかナメてるのか知らんけど急に思考を放棄した適当な説明を始める場合があるので、やっぱり東洋医学と遊びに行く時はを相手をよく選んで、ちょっとだけお茶して帰るぐらいが丁度いいと思う。
説明会の終わりに、その学園祭実行委員長が「就活してる皆さんに伝えたい話があります。アフリカのある村で行われる雨ごいの成功率は100%なんだそうです。なぜだかわかりますか?それは雨が降るまで雨ごいするからです。」という話をしたのを覚えてる。
隣に座っているやつがカリカリとメモする気配がした。私は天邪鬼なので「ハア、そうッスか」という感想しか出てこなかった。
その後は社屋の隣にある、その会社経営のレストランで妙に薄い味のオーガニックなカレーを食べて終了となった。
その会社と宗教との関わりがあるのかわからなかったけど、「○○(社名)、宗教」とか「○○(社名)、嘘」で検索すると、すでにその会社の息のかかった者による、怪しい日本語で書かれた謎の記事がしこたま引っかかって来る。下手に「宗教ですよ」とか「効果ありませんでした」とか口コミが書かれてるよりインパクトがあった。
私はこの時の事を思い出しながら、雨が降るまで雨ごいをする人々について考えた。実行委員長は諦めない事が大事って伝えたかったんだと思うけど、その話を就活に応用するならば、就活しなくても放っておけば仕事に就けることになる。アフリカって雨季と乾季があるから、雨季になれば雨ごいなんてしなくても雨は降るんだし…。
やっぱり考える事を放棄した謎オーガニックとは付き合わない方がいいなと思った。
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