5匹の魚の物語
みなさん、こんにちは。メリアです。
本日はこちらの1冊を紹介いたします。
町田その子さんの作品です。
あらすじ
とある町で暮らす人々の連作短編となっているお話。
大好きだった、今でも大好きな孤児の不良少年だった彼は街を去った。
いつもいじめられていた物静かな同級生の女の子が突然男の子を殴った。
突然喫茶店にやってきた妊婦。
突然父が母と娘を置いて出て行った。
4度の死産と夫の暴力に耐える女性。
5匹の魚たちは水槽の中で生きづらさにもがき、悩み、葛藤しながらも、守り守られ、生きていく。
必ず誰かに守られて生きている。
苦しくも、そっと寄り添うような作品です。
感想
苦しく、悲しく、一人一人の生きづらさを表現しながらも、どこかで誰かがそっと見守ってくれる、背中をさすってくれるような作品です。
どんなに想いあっても、同じ場所に居続ける、居続けたいと思うとは限らない。
誰しもが生きづらさや葛藤を抱え、苦しくても水槽の中で呼吸する者もいれば、外の世界へと踏み出す人だっている。
しかし、どんな場所にいても、誰かがそっと見守ってくれている、想っていることに変わりはないのです。
弱々しさの中に芯のある強さをもった登場人物に魅了されました。
最後には涙せずにはいられない結末が待っています。
心から「良かった」と。
また1人好きな著者が増えました。ぜひ読んでみてください!