超短アニメ祭り
一時期、超短編アニメが好きであさっていた。だいたいが10分もなくて、キャッチーだったり可愛かったりして、ついでにちょっと怖いのもある。
一番好きなのはKUROKO(黒子)。
「誰もが、誰かに支えられていて、また誰かを支える存在である」。
世界はたった一人の英雄が支えているわけじゃなく、日常を生きるすべての人が動かしている。そう思っているから、この動画のメッセージはすんなり入ってくる。
よく「世界を変える」なんて言われて、なにかビッグなことみたいに思われてるけど、全然ちがう。誰もが日々、世界を少しずつ変えている。影響力の大きい小さいがあるってだけだ。
ひと一人の影響力って、意外と馬鹿にしたもんじゃないと思う。誰かが機嫌よさそうにしていると、それだけで周りにも伝播したりするものだし、逆もまた然り。
そうして伝播が伝播を呼んで、水の波紋みたいに広がっていくとしたら、影響力が小さいなんて思えなくなる。
地位ある人間になって力を振るうことでしか世界を変えられないと思うのは、小さな変化を見落としているか、残念ながら馬鹿にしているかの二択じゃないか。
伝えるメッセージがちょっと違ったり、言い方が少しだけ柔らかかったりキツかったりすることで、簡単に周囲の世界は変わっていってしまう。自分は世界を変えてないと思うのは、だからけっこう高慢なことだ。
誰でもだれかと繋がっている。良くも悪くも。
次は「就活狂騒曲」。自分はこの動画みたいな新卒の就活をしたことがないので、これがどこまでリアルか知らない。だけど同級生から伝わってきた「シューカツ」の雰囲気って、確かにこんな感じだった。
うんうんうなずきましょう、女子の化粧は控えめに、でも全然しないのは許されません。たくさんメモを取ってたくさん質問をしましょう、とにかく笑顔を崩さないで、グループディスカッションでは積極性をアピール。
……面接官に直接たずねたところ「意味のない質問をたくさんしてくるのは感じ悪い。会社をきちんと調べてきている子ほど、訊きたいことはそうないんだよね。だから質問の量は気にしない」と言っていた。
就活に際して出回っているいくつかの常識は、どこの会社でも通用するものじゃない。積極性よりも、周囲の出方をうかがう協調性を重視する面接官もいる。だから一概には言えない。
最近では、女性のノーメイク可、私服面接OKなところもチラホラ見るので、以前に比べると同質性は薄れたのかもしれない。「就活狂騒曲」で描かれている問題が消えたわけではないけど、薄れる気配はある。
後味が悪いという点ではこれも負けてない。「CHILDREN(子どもたち)」のタイトルからは想像できないレベルに悪い。
アニメではないけれど、これもどこか「資本主義の中の人間の仕事」って感じがして忘れられない。
明るくないのが続いたので、最後は「びじゅチューン」で知られる井上涼の、ポップで可愛い短編アニメで。
二番目の方は友達が好きだった。神様はハイヒール。
今日は地元で祭りの日なのだけど、自分は参加はおろか見ることもできない。何もしないのもなんなので、代わりにアニメ祭りをしてみた。
きっとインスタグラムやツイッターあたりでは、昔の同級生がはっぴ姿をアップしているだろう。
この祭りに使われる掛け声は「除夜叉(じょやしゃ)」で、読んで字の如く、夜叉(悪いもの)を除くと言われる。でも実際に聞くと「ッサア!」としか聞こえない。
朝から晩まで続くので、これを書いてる今もまだまだ叫んでいる真っ最中だと思う。