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初めての料理代行

2019年某日、ついに料理代行デビューの時が来た。

何にもわからない、、全く最初から、全てがわからない中
とりあえずやってみよう精神でお客様の募集をかけてみたのだが
まさか本当に依頼がくるとは思ってなかった、、、

とりあえず準備をと思い、持っていく荷物を用意する。
何がお客様宅にあるのか?何を持参すればいいのか?
検討がつかなくて、気づいたら2泊3日くらいできそうな荷物量になっていた。
もうこの時点で挫折しそうで、どうやって依頼を断るか?などが脳裏をよぎる、、

頂いた住所をGoogle先生にお尋ねしたら、大分ふわっとした返答がきた。
(その当時、まだGoogleマップの精度が低く、住宅街の細かい情報が弱かった)
「辿り着けないかもしれない…」
当日にもなってないのに心は既に負けていた。

先に言っておくと、当然のようにこのお仕事、一言で言うと「失敗」
準備不足・内容の不透明さ・事前のリサーチ不足などなど、、、
駄目だったことを言い出したら、ハリーポッターもびっくりな文字数になりそうなので
今回はやめておくことにする。
やめておくけど、今回は全編暗い。なんたって反省しかないから。


依頼がきた日から当日まで準備をしたいけど何したらいいかわからなくて悶々と過ごし
いよいよデビュー当日午前10時

案の定Google先生は早々に道案内を放棄し、見放された私は30分徘徊する、、
当然のように遅刻する、、、
結局辿り着けなくてなんとお客様に迎えに来ていただく、、小さいお子様を抱えて、、

最悪の初対面を済ませおぼつかいない足取りで向かったお宅

【ご夫婦の記念日を毎年祝っていたが、今年は子供がいる為満足にできないので料理代行を利用して、特別なディナーを食べたい】
とのご要望だった。
コース仕立てとのオーダーで、フレンチが本業の私は色めき立った。

だが、、これがいけなかった

レストランでのコース料理は、召し上がる直前にタイミングを合わせて仕上げる。
よって、どうしても完成品を3時間置いた後に温め直して食べる、、が許せなかった。
お魚料理もお肉料理も絶妙な火入れで最高の状態で召し上がっていただきたい、、
出ました無駄なプライド

紙包み焼きなどで、召し上がる時に火入れしなければいけない状況にしてみたりした。
火入れも細かくお伝えしたけど多分伝わってないし、ご家庭の電子レンジの特性を鑑みていない内容だったので、温まらずお客様の自己流加熱になったと思う。

メインはオムライスがいいと言われた。しかもトロトロのやつ。
いやいや、3時間後は余熱でカチカチよ。かろうじて保てたとしても、温め直したら結局カチカチよ?
本当はその事実を伝えなきゃいけなかった。
無理なものは無理だとハッキリこちらがコントロールしなければいけなかった

でも言えなかった。
何でもかんでも「できます」と宣っていて、なんならこの悪い癖はその後のお仕事にもしばらく受け継がれていく。

そしてそして、ここから大変だったのが、用意した食材が足りなかったこと。
主要食材だったのでないと困る、、
仕方なく手を止め、近所のスーパーを教えていただき買い出しに、、
この時点でお客様に完全に呆れられていたと思う。
自分が一番呆れていたからね。

それでも優しいお客様は、料理代行に大変興味関心を寄せていただいていて
沢山お話しさせていただいた。
ただ、話し(接客)しながら、こちらも初めてで答えられないことを、さもベテランかのように必死で内容を考えて返答しつつ、初めてのキッチンで調理する、、

もう無理でしたね、、
全てに集中できず、頭真っ白
ほとんど何喋ったか、どんな作業したのか覚えてないです。

とりあえず気づいたら終わってましたなんとか、、

そして時計見たら16時でした、、、

今ここに書いてみて、改めてこのお客様宅に菓子折りを持って謝りに伺いたいです。

でも、その第一歩があったからこそ今がある。
5年間諦めずに積み上げることができた。
過去何人かはリピートもなく、多分料理代行に対してガッカリさせてしまったと思う。

だけど、今私の周りにいてくれているお客様は皆さん口を揃えて

「美味しい!最高!いつもありがとう!もう料理代行なしでは生活できない!」

そう言ってくださる。

今はまだ思い出したくない失敗、申し訳ないしかない思い出ですが
いつかそのお客様方に胸を張って感謝を述べながら
何かしらで恩返しができるような、そんな存在になっていきたいと思う。

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料理代行6年目
地方(三重県)で独立開業
主婦で母
年間3600品調理
予約の取れない料理代行人【北村光穂】がお届けする

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家庭調理でキャリアを積んでいる主婦さん
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